岡山市議会 > 1984-07-04 >
07月04日-04号

  • "質問"(/)
ツイート シェア
  1. 岡山市議会 1984-07-04
    07月04日-04号


    取得元: 岡山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-30
    昭和59年 6月定例会    昭和59年6月定例岡山市議会    議 事 日 程  第4号     7月4日(水)午前10時開議第1 一般質問    …………………………………会議に付した事件 日程第1 一般質問    ──────〇──────出席議員(50人)        1番  矢 木   明君        2番  片 岡 五百樹君        3番  近 藤 紗智子君        4番  辻 野 喬 雄君        5番  田 畑 賢 司君        6番  有 井 靖 和君        7番  亀 井   章君        8番  垣 下 文 正君        9番  浅 野 卓 志君        11番  鈴 木 邦 彦君        13番  小松原   操君        14番  寺 田 明 生君        15番  内 田 宏 哉君        16番  日 南   香君        17番  景 山 貢 明君        18番  山 田   勇君        19番  福 原 弘 子君        20番  堀 川   進君        21番  川 田 敏 幸君        22番  磯 村   博君        23番  山 田 録二郎君        24番  伏 見 昇 男君        25番  道垣内 正 雅君        26番  丹 原 重 彦君        27番  脇 本 一 郎君        28番  松 山 茂 樹君        29番  小 林   勉君        31番  新 谷 盈 智君        32番  守 屋 彰 久君        33番  楠 木 忠 司君        34番  草 野 邦 輔君        35番  小 橋 留 男君        36番  田 中 昭 三君        37番  山 田 隆 雄君        38番  小 川 晴 雄君        40番  高 木 悦 夫君        41番  妹 尾 達 道君        42番  谷   慎一郎君        43番  串 田   務君        44番  定 政 猛 男君        45番  華 房 美 衛君        46番  磯 島 康 夫君        47番  渡 辺 慎 一君        48番  岡 本 俊 彦君        49番  板 野 和 昭君        50番  宮 川 日 吉君        51番  片 山   仁君        52番  花 岡   薫君        53番  藤 原 照 夫君        54番  藤 原   貢君    …………………………………欠席議員(3人-欠員1)        10番  大 橋 英 雄君        12番  湯 浅   泰君        30番  苦 水 重 徳君    ─────────────説明のため出席した者   市     長  松 本   一君   助     役  鹿子木   貢君   助     役  冨 岡   要君   収  入  役  桑 形   宏君   総 務 局 長  八 木   肇君   財 政 局 長  中 野 正 志君   民 生 局 長  三 宅   襄君   衛 生 局 長  竹 原 良 一君   経 済 局 長  藤   昭 博君   建 設 局 長  神 原 俊 彦君   下 水 道 局 長  中 山 茂 也君   西 大 寺支所長  森 末   京君   参     与  丸 尾 比呂志君   参     与  渡 辺 史 郎君   参     与  人 見 文 男君   企 画 室 長  谷   義 仁君  水  道  局   水道事業管理者  篠 原 勇 造君  消  防  局   消 防 局 長  北 村   博君  教 育 委 員 会   委  員  長  横 田   勉君   委     員  辻   吉之祐君   教  育  長  奥 山   桂君  選挙管理委員会   委     員  青 地   勇君   事 務 局 長  南 石 元 久君  公 平 委 員 会   委  員  長  板 野 尚 志君  監 査 委 員   事 務 局 長  内 田   浩君    ─────────────出席した議会事務局職員   局     長  久 山 忠 孝君   次     長  山 本 茂 樹君   次     長  原 田 知 義君   調 査 室 長  大 熊 正 孝君   議 事 課 主 幹  中 川 和 彦君   記 録 係 長  岡 田 登志男君   主     任  最 相 初 音君   主     事  佐 藤   武君   嘱     託  妹 尾 元 吉君    午前10時10分開議 ○副議長(岡本俊彦君) 皆さん御苦労さんでございます。 これより6月定例市議会第4日目の本会議を開きます。 ただいまの出席は46名であります。    ───────────── ○副議長(岡本俊彦君) 会議録署名議員に景山君,磯村君のお二人を指名をいたします。    ───────────── ○副議長(岡本俊彦君) 本日の議事日程は一般質問であります。    ──────〇────── △日程第1 一般質問    ───────────── ○副議長(岡本俊彦君) 日程に入ります。 日程第1は一般質問であります。 それでは,順序に従いまして山田勇君。   〔18番山田勇君登壇,拍手〕 ◆18番(山田勇君) 皆さんおはようございます。 連日の議会で皆さん方には大変お疲れのこととは思いますが,少々お時間をいただきまして質問をさしていただきます。で,一部順不同の点がありましたが,この点につきましては御容赦いただきまして,通告に従い進めてまいりたいと思います。 まず第1点は,教育問題についてお尋ねをいたします。 去る6月26日の新聞報道によりますと,非常に大きな活字で「女子教諭に集団暴行」荒れる中学,腹いせプールに突き落とす,と市立操南中学校女子生徒による事件が大きく報道されています。操南中学といえば最近何かと話題の少なくない中学校の一つのようですが,この件は先日,小橋議員質問に対して教育長より状況の説明があったのですが,客観状況から判断して,生徒と教師のトラブルを何ゆえ学校内で処理する努力をしようとせず,警察に補導を依頼するのか。ぎりぎりまで学校で自浄作用を働かすように努力すべきではなかったのかと私は思えてなりません。たまたま現場に居合わせたほかの生徒の話では,よくあることで運が悪かったと。また,あれぐらいのことを一々警察ざたにしておったら切りがないと,云々こういうことでありまして,勢い警察に連絡をしてしまう前に,何らかの具体的な手だてがあったのではないかと私は思う次第ですが,まずこの点についてお尋ねをしておきます。 なお,あわせて警察への通報云々の基準を一体どのあたりに置き指導をされているのかもお聞かせください。いずれにいたしましても,私が一番心配をしておることは,このような経過を経て,これから先,この子たちが本当に立ち直れるのかどうかということなのです。罪を憎んで──ここでは罪になるかどうかわかりませんが「罪を憎んで人を憎まず」とも申しますが,当局関係者におかれましては,今後この子たちが一日も早く立ち直り,正常な授業に戻れますように,親兄弟以上の細やかな愛情と情熱を傾注していただかれんことを心からお願いする次第です。 次の理する努力をしようとせず,警察に補導を依頼するの中学生への同和教育のあり方につきましては,諸般の事情により割愛をさしていただきます。 続きまして,学校給食についてであります。 現在,市内には小学校82校,中学校33校あり,どの学校でも栄養士,給食調理員さん方の献身的な努力によって毎日おいしい給食ができているようでございます。この点については全く喜ばしい限りであります。 で,質問の第1は,献立委員会の発足の進展状況は現在どこまで進んでおりますか。これはかなり以前からこの制度は議題となっており,私もあって当然で,育ち盛りの子供の給食に対して,あくまで子供本位のメニューを衆知を集めてつくり,さらにおいしく楽しい給食ができるように期待をしている一人なのですが,一向に具体的なものが出てまいりません。これは一体何がネックになっているのですか。また,いつごろをめどに発足させるお気持ちなのかをお聞かせください。 ところで,栄養士と給食調理員人間関係は各校ともにうまくいっておりますか。そこにはぎくしゃくとしたものや,いびりなどはないと当局は断言できますか。この点当局におかれましては,どのように把握,指導しているのかもお聞かせください。 次は,給食調理員の役務内容についてお聞かせください。これは岡山市教育委員会に勤務する単純な労務に従事する職員の服務規程の写しですが,それによりますと,給食物資の調理及び配分に関することから始まり,6項目にわたって明記をされております。ところが,実際の現場では非常に細かな点まで組合を通じての注文があるらしく,かなりのセクト主義が幅をきかせており,所属長としてはやりにくくて仕方がないとの声をよく耳にいたします。(「そのとおりじゃ」と呼ぶ者あり)例えば,ここで話をよく理解していただかれんために,きょうは小道具を用意しましたので,ちょっと見てやってください。これまず市長(と食器を市長席へ置く,笑声)例えばカレーライスのお皿一つを例にとりますと,現在使用しておるのがあのお皿で,カレーを食べるのには大変に不便で,何とかお皿を少し大き目にして,しかも平べったいのではなく,いわゆるカレー皿にしてほしいということの意見が大勢を占め,前々から要望を出してはいるが,お皿を大きくしたら,その分私たちの仕事量がふえる云々との理由で,いまだに不自由のままあのお皿でカレーを食べております。また,うどん,ラーメンのめん類のときでも,あの器にスープが入ってきて,めんはナイロン袋に入ったまま来るそうです。その袋から少しずつめんを取り出して,スープに浸しながら,(笑声)ちょうどつけめんかそうめんを食べるような感じでまあ流し込むと,これが現実です。(「そうじゃ」と呼ぶ者あり)こういう話を聞いて,私本当にあきれました。情操教育のかけらも見当たらないと,これがもう率直な実感でございます。物を食わせば正味かもしれませんが,それ以前にやはり何らかのきめ細かな配慮があっても決してばちは当たらないと思うんですが,(笑声)その辺教育長さんは一体どのようなお考えでございましょうか。一体給食というものはだれのためにあるのですか。名実ともに子供本位の給食に身近なところの一つ一つから改めるべく,市教委におかれましては確固たる指導性をぜひとも発揮してもらいたい。そして,子供たちが本当に給食が楽しく,待ち遠しいと言われるような正常な方向に一日も早く修正指導を心からお願いする次第です。 なお,あわせてそういう具体的な一つ一つが改められないのなら,今後の方針として栄養士,調理員をパート制度に切りかえるとか,あるいはこれは昨日,浅野議員も御指摘されましたが,もういっそのこと民間委託にした方が,いわゆる最小の経費で最大の効果と言える給食になると思うのは決して私一人ではないと思います。(「わしらも思うで」「そうじゃ」と呼ぶ者あり)私はこの質問の冒頭に,献身的云々と申しましたが,どうかそこにもう一つ血の通った食べる側に立った給食に一日も早くしていただきたいことを申し上げたいのであります。 次は,河川改修計画プラザ構想についてお尋ねをいたします。 私は先般ヨーロッパ視察団のメンバーの一員として東欧6カ国をつぶさに視察さしていただきました。そこではいろいろな人々との出会いや,歴史的な由緒ある建物から格調高い美術館に至るまで,見るもの聞くもの大変な驚異と感動の連続でございました。その中でも特に痛感したことは,緑の多さと町の中の至るところにプラザ,いわゆる広っぱがかなりのスペースを占めていることでありました。特にスイスのジュネーブ,ブルガリアのソフィア,デンマークのコペンハーゲン,そしてフランスのパリなどはその代表的な都市で,ジュネーブに至っては,まるで公園の中に町並みがあると言っても過言ではないぐらいでした。また,パリのセーヌ川の遊覧もいたしましたが,その両岸は思い思いのポーズで日光浴を楽しむ市民が数多く見られました。そこで,ふと私は地元の旭川,吉井川,百間川の河畔でもこういったことができる雰囲気づくりがでけんのんかなあと実に素朴な感じを持ったのであります。旭川右岸の一部には,県がセーヌ川構想をもって具体的に着手をしたようです。また,それだけではなく,岡山市といたしましても大胆な発想で,旭川ライン構想に引き続き,さらに大規模な河川敷の再利用構想を早急に煮詰め,一部の民間業者,例えばゴルフ業者,自動車の教習所とか砂利業者,魚市場の方々への利用というのではなく,全市民が気軽に利用できる木陰,ジョギングコース,そしてプラザをおつくりくださるよう御提言,お願いをする次第です。 また,あわせてもう一点,今問題になっている岡山駅前の貨物駅跡地の再利用についても,先般AからE案までが発表になりました。この資料でございます。残念ながらどのプランにも思い切った広場,プラザめいたものが見当たりません。なるほど駅前の1等地ということで,土地の高度利用という点で新しい建物,駐車場等々盛りだくさんのプランがあるようですが,我が岡山の表玄関,岡山の顔とも言うべきこの地にこそ広く市民や岡山を訪れた方々が気軽に利用していただける,いわゆる駅前広場とでも申しましょうか,仮称瀬戸大橋架橋記念広場といったような名称で結構ですから,思い切ったプラザをとっていただきたい。当局におかれましても,国鉄に対しこういった趣旨を十二分に訴え続けていただきたいと思いますが,建設局長の御見解をお聞かせください。 次にお尋ねしたいのは,岡山市外3町衛生施設組合についてであります。 昭和38年4月,岡山市,牛窓町,邑久町,瀬戸町で組合を設立,同年12月に着工され,昭和41年5月に1日当たり70キロリッター処理能力を完成させ,その後昭和47年から昭和48年にかけてさらに1日当たり30キロリッター処理能力の増設を行い,合計1日当たりの処理能力100キロリッターまでは整備されています。で,その間地元の方々との話し合いも非常に難航した部分もあったようですが,とにかく現況では1日当たり100キロリッター処理能力を確保しておられるようです。ところが,処理実績を見ますと,1年平均のこれは数字ですが,1日当たり昭和54年では97キロリッター,昭和55年では104キロリッター,この昭和55年から処理能力1日当たり100キロリッターをオーバーし始めて,昭和56年には108キロリッター,そして昨年に至っては118キロリッターと完全に処理能力の1日当たり100キロリッターをオーバーした実績になっております。要するに,能力の限界はすでに数年前に超えてしまい,もはやいつ施設そのものがダウンと申しましょうか,パンクしても決しておかしくないところまで来てしまっております。しかも,この施設の受け持ち区域の人口は,これまた年々着実にふえており,一日も早い抜本的な施設の見直しがきわめて重要な課題であることは,これはもう火を見るよりも明らかであります。 そこで,お尋ねしたいのは,当局担当助役──富岡助役さんのところのようですが──におかれましては,今後この神崎の施設に対してどのようなお考えで,どのようになさるおつもりなのか。また地元の撤去同盟の方々に対して,今までにどのような話し合いをされてこられたのか等々お答えください。 私はこの質問をするに当たり,当局の方々,これは施設組合の現場の方々にもお会いし,いろいろとお話を伺いました。率直に申し上げて,どっかの事業所とはわけが違いまして,本当にまじめに職員の方々はよくやっておられます。職員の方々は異口同音に施設の老朽化と搬入量の年々の増加を悩んでおられます。また,地元の対策委員会の会長さん,役員さんにも神崎の西村でお会いをいたしました。会長さんのお話では,そもそもの地元側補償要求書──これは19項目になっていますが──から始まって,それへの回答,そして契約書,また昭和47年から48年にかけて増設したときのいきさつ等々理路整然と役所側の不誠実さを糾弾していらっしゃいました。私が今までに当局側から聞いていたお話と内容に一部見解の相違はあるものの,何点かにわたってまだ実際に市側が実行していない項目を早急に誠意を持ってやり遂げないことには,この問題はますますこじれるばかりだと感じました。当局はこの点は一体どうするおつもりなのですか。そのあたりを見切り発車的にお考えでいらっしゃるなら,今度はいよいよ取り返しのつかない大変な事態が予測されます。どうか誠意のある御答弁をお願いいたします。 以上をもちまして1回目の質問を終わらしていただきます。(拍手) お皿はどこへ行っとりますかな。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 山田議員の御質問にお答えをいたします。 岡山市外3町衛生施設組合の今後の問題につきまして御意見を入れながら御質問をいただいたわけでありますが,神崎処理場の新設問題につきましては,昭和56年春以来今日まで交渉を続けておるところでございますが,対策委員会といたしましては,新しい施設の建設に反対をするということと,現施設を撤去せよという意向が非常に強いわけでございまして,現処理施設の老朽化は御存じのとおりでございますが,さらに人口増加によりまして,処理量の増大並びに処理水質の向上に対処するためには,新しい施設を建設することが急務であると考えるわけでございます。 現状の一部の臭気の問題等につきましては,工事をいたしまして対策を講じたわけでございますが,今後対策委員会との交渉を重ねてまいりまして,協力を求めて早期の解決を図っていく所存でございます。 また,本施設は御承知のように岡山市外3町の一部事務組合管理運営をいたしておるわけでございますが,地元の窓口という点では,したがって組合の事務局で対応いたしておるわけでございますけれども,岡山市のし尿行政の中でも,この処理場というのは東部地域の基幹施設でございますので,先ほどいろいろ御意見いただきましたように,未解決の問題もあるようでございますので,こうした問題とも十分検討をいたしまして取り組んでまいらなきゃならないと思うわけでございますが,何と申しましてもこの問題は地域の住民の皆さん方の理解を得るということが非常に大切でございまして,この点につきましては関係の議員の皆さん方もどうかひとついろいろな御配意を賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。今後この問題の解決に向けて鋭意努力してまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 その他につきましては,関係者から答弁させます。 ◎建設局長神原俊彦君) 町の緑につきましては,ヨーロッパ諸国の(「局長,聞こえんでえ,もうちょっと元気出さにゃ」と呼ぶ者あり)どうも失礼しました。町の緑につきましては,ヨーロッパ諸国のお話を伺いましたが,樹木の生育には長い歴史と市民の関心が必要かと思われます。現在,岡山市におきましては,岡山発祥地である天神山一帯と後楽園を含めた旭川ラインを市の文化を象徴する文化シンボルゾーンと位置づけまして整備計画を進めておるわけでございます。岡山城の整備はもとより,その下流,相生橋から京橋の間,旭川右岸約600メートルにつきましても市民の憩える広場と水辺のプロムナードとして本年度から整備することにしております。 また,京橋以南約700メートルにつきましては,先ほどの御質問の中にございましたが,県事業として昨年度からセーヌ河畔構想として整備が進められておるわけでございます。また,吉井川につきましても,昭和47年度から毎年整備を続け,テニスコート4面,野球場2面,陸上競技場1面,園路1,245メートルなどを整備しておりまして,本年度も園路1,025メートルの整備を行う予定でございます。 また,岡山市の貴重なオープンスペースとして残されている百間川の整備につきましても,建設省及び関係機関と協議を重ねながら市民が有効に利用できるよう計画を進めているところでございます。 また,その他の河川につきましても,貴重なオープンスペースとして高水敷利用を国,県と協議しながら積極的に進めてまいりたいと考えております。 それから,駅前の問題でございますが,岡山駅前の見直しに当たりましては,交通結節機能の充実を図り,将来の交通需要に対応することは無論のこと,御提言のありました岡山市の顔としてふさわしい風格のある広場として市民並びに観光客の親しめる施設とが調和した駅前広場を計画するよう国鉄関係機関と協議してまいりたいと思っております。 なお,現在の広場にも噴水,桃太郎広場を含めた修景施設は全体の約18%に当たる約3,500平米がプラザ的な利用に供されており,狭いながらも市民,観光客の憩いの場として利用されておるわけでございますが,これら広場につきましても国鉄等関係機関と協議を進めていきたいと,このように思っております。 ◎教育長(奥山桂君) 山田議員からの大きく分ければ二つのことについての御質問でございますが,いずれも生徒への深い愛情からの御質問であり,我々としても心を打たれる思いでございます。 その第1は,せんだっての操南中学校の対教師暴力につきまして,なぜ校内で対応しなかったのかと,自浄能力でそれが対応できなかったかというようなお尋ねでございます。御指摘のように,学校の自浄能力を育て高めることは非常に重要でございます。小橋議員のお尋ねにもお答えしましたように,学校におきましては生徒指導体制の点検強化,また愛情と厳しさを持った指導ということを目指して努力してきておるわけでございます。多くの生徒たちの自覚は次第に高まり,全体としては落ちついた空気を取り戻しておるわけでございます。残念ながら今回の暴力行為を起こしました生徒につきましては,たびたび家庭訪問を重ね,保護者,生徒との信頼関係を深める取り組みも行うと同時に,学級の中での生徒同士人間関係を深めるというような意味で,学級づくりにも努力をしておるわけでありますけれども,その生徒たちの変容が現状ではそこまでよくなっていないという状態にあるわけであります。今後一層の努力を重ねるとともに,さらに関係機関地区保導協議会等との連携も密にして,生徒の立ち直りを図るよう指導助言をしてまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。 それから,それに関連しまして警察への通報の基準はというお尋ねでございますが,御承知のように現在の生徒指導につきましては,学校だけでやれればこれにこしたことはないわけでありますけれども,関係機関との連携を密にするということが大事な原則に現在はなっております。お尋ねの通報の基準について教育委員会が学校に示しておるというようなことはありません。しかしながら,問題行動の内容によっては,速やかに対処しなければならない場合もあるわけでございます。そのあたりは学校長の適切な判断で対応していくようにしておりますので御理解を賜りたいと思います。 それから次は,学校給食の問題でございますが,献立作成につきましてその作成委員会の進捗状況はどうなのかというようなことについてのお尋ねでございますが,御承知のとおり学校給食献立作成につきましては,岡山市では校長会等の協議によりまして岡山県学校給食会岡山支部に昭和32年から献立作成委員会を設けて,学校栄養職員が中心になり行ってきておるわけであります。それが手順の上でスムーズでない点も出てきておるわけでありまして,現在献立の内容も含め,より充実したものとするために献立作成委員会の改善を図るべく,教育委員会内に学校給食に関する研究会を組織して,これは献立作成の問題だけでありませんで,学校給食にまつわる諸問題について検討をいたしておるところでございますが,まとめ次第,学校給食の関係者が同じテーブルに着いて協議をし,よりよい方向へ充実を図ってまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。 次は,栄養士と調理員の人間関係についてのお尋ねでございますが,学校現場で栄養士と調理員との間に一部の学校で御指摘のようなことがあったようであります。これもお互いが子供のための心の通った給食をという目的に向かって相互に理解を深め,信頼関係に立った運営をしていくように,これからも努力をしてまいらねばならないと考えておる次第でございます。 それから,調理員の服務についてのことでございますが,御指摘にもありましたように,服務規程にその職務内容を定めておりますけれども,実際の調理に当たっての細かい部分については定めておりません。そして,その点につきましては労働条件に関連する部分がありまして,団体交渉で労使双方が確認している事項もあるわけであります。そういった点で運用上,一部の現場で混乱が生じたことがあるわけでございます。現在多くの学校では良識と信頼関係の上でそのあたりが円滑な運営がなされておるわけでありますが,今後も学校長を中心に円滑な学校運営がなされるよう努力してまいりたいと考えております。 なお,これらの問題につきまして御指摘の食器の問題も検討課題の中の一つでございますが,そういう問題も含めて学校給食に関する研究課題を教育委員会の主体性のもとで検討いたし,そしてさらに給食に関係するすべての人が同じテーブルに着いて,児童生徒に喜ばれる給食ということを目指して十分協議をしてまいりたい。そして,いい方向を見出していきたいと,そういうふうに考えておりますので御理解を賜りたいと思います。   〔18番山田勇君登壇〕 ◆18番(山田勇君) 再質問をさしていただきます。 1点は,操南中学校の今回の場合は,現場の最高責任者でいらっしゃる校長先生の御判断であったと思いますが,教育長自身としては今回警察に通報云々いうことはどのようにお考えでございましょうか。 もう一点は,私なぜこの機に給食を取り上げましたかといいますと,今回の通告の中にも何人かの人が給食問題を出しておられます。たまたまきょうは器の問題と調理員云々いうことしか触れませんでしたが,まだまだ内容はこれは調べれば調べるほど非常に問題が深いいうのが実感でございます。で,やはり食べさしてしまえば正味ではないかと,そういう考え方では21世紀を任せる子供たちに私たち大人として申しわけがやはりつかないというふうに私は思っておるわけなんです。そういうことも十分御配慮いただいて,改善方を心からお願いする次第です。 以上で再質問を終わります。 ◎教育長(奥山桂君) 操南中学校の校長のとった判断を教育長はどう思うかということでございますが,私としては学校長の判断を信頼しておるわけでございます。御理解を賜りたいと思います。 それから,給食の問題につきましては,我々大人として申しわけないというふうにおっしゃっておられますが,私も同じように思っております。できるだけ教育委員会の主体性のもとで努力をしてまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。 ○副議長(岡本俊彦君) それでは順序に従いまして山田録二郎君。   〔23番山田録二郎君登壇,拍手〕 ◆23番(山田録二郎君) それでは,順序に従いまして質問させていただくわけでありますが,まず質問に先立ちまして松本市長さんを初め当局の関係者一同の御尽力に御礼申し上げたいと思うのであります。 それは,昨年の9月定例市議会の一般質問におきまして,私が犬島の環境整備についていろいろとお尋ねいたしましたが,中でも地元西大寺医師会から強い要望があり,また島民の健康管理にとりまして特に重要な診療所が近く完成することになり,よい環境のもとで引き続き島民の診療が行われることになりましたことは,島民の方々は言うに及ばす,行政関係者にとっても実に喜ばしいことであります。島民にとって長年の念願でありました上水道の整備に続いて,このように立派に診療所が完成しますのも,市長が打ち出されている身近な生活環境の整備という施政方針に沿ったまさに代表的なものであり,称賛されるべきものと言えましょう。本年度はこの診療所建設に続いて,犬島の総合調査,し尿処理施設の整備,待合室の建設が約6,000万円の予算をもって実施されることになっております。これはひとえに松本市長さんの深い御理解と,これに加えて地元医師会や島民の方々,行政関係者のたゆまない熱意と努力のたまものと心から深く感謝申し上げるものであります。 それでは,質問に入りたいと思います。本日は消防団の充実について市はどのように対応されるのかお尋ねしてみたいと思います。 まず1点目でありますが,団員に対する処遇についてであります。御承知のとおり,岡山市は周辺市町村の合併により510平方キロという全国でも10指の指の中に入る広大な市域を擁する都市となったのであります。この広大な市域内で発生の予想されます災害の未然防止あるいは災害の防除,さらには被害者の救助などと広範囲にわたって多くの消防団職員が従事しております。このように活躍します本市の消防職,団員は常備消防職員が404名と,その常備の約9.3倍に当たるすなわち83分団の実員は3,740名の消防団員から成っております。そして,これらの要員は暴風雨のときはもちろんのこと,年末や緊急時の際の警戒などに昼夜を問わず出動して災害の予防あるいは防除活動などに従事しており,これらの活動が19万世帯,56万市民の生命,財産の安全を絶えず守り続けてくれていることは万人の認めるところであります。また,消防団員のほとんどの人が自分の生活を支える定職を持ち,多忙にもかかわらす,すわ出動となると昼夜の別なく,また厳寒猛暑を問わず社会の安寧へのため,私情を捨てて活躍してくださっておることは周知のところであります。 ところで,このように身を挺して危険に立ち向かう消防団員に対する本市の処遇はどうでありましょうか。少し資料が古いかもしれませんが,といっても現在でもさほど変わりはないと思いますが,昭和57年12月現在の資料によりますと,指定都市を除いた人口40万以上の類似都市19市について申し上げますと,まず団員に対する年間報酬を金額的に段階に分けてみますと,岡山市は低い方から2番目という実態であります。ちなみに,この19市を大まかに見ますと,最も高いのが船橋市の年額2万4,000円,これに次いで松山市,鹿児島市の2万円などとなっておりますが,これに対して本市は昭和58年度より年額9,000円と実に貧弱なものとなっております。さらに,一つの例として,水火災に対する出動手当について見ますと,岡山市は低い方から7番目という余り胸を張っては言えない状態となっているのであります。これを他都市の例を挙げてみますと,長崎市が1回につき6,000円,次いで鹿児島市の3,300円などとなっており,そうした中で本市は低い方から7番目の1回,昭和59年度から1,400円という心細いものとなっているのであります。このような実情で果たして岡山市の防災活動を担う団員の苦労に報いることができると言えるのでしょうか。 基準によりますと,岡山市の場合は1,464人の団員をそろえなければならないことになっておりますが,ありがたいことには現在のところこの基準の約2.5倍の3,740人の精鋭が肩を並べ,その強い熱意と不断の努力によって今日までの安全が確保されてきてるのであります。今のところ,このように100%を超えているからといって,昨今のような処遇の状態で腕をこまねいていると,現代の風潮なり社会の動向からして,おのずから100%を割るようになり,団員を募るのに今よりも苦労しなければならない状態になるのではないかと懸念されるのであります。 そうした観点に立って,今から団員に対する処遇の充実改善が強く望まれるところでありますが,市長,消防局長にはどのような考えがあるのか,基本的な方針なり基本的な施策についてお示しいただきたいと思うのであります。 次に第2点目は,消防施設の整備についてであります。 消防活動に要する各施設は,例えば消防署所,車両,船艇及び通信機器等がありますが,これらは消防力の基準に従って年次的に整備されてきておるわけであります。その主な状況は,59年4月現在で常備消防が78.5%の充足率となっており,一方団管理の車両は151%という整備状況になっておるわけであります。この団管理の車両は市費負担で整備充実され,これを格納します機庫も本市の場合は54カ所が公有地の上に,そしてそのほかの53カ所の機庫は私有地に公費をもって建設されており,費用負担,用地関係はおおむね全国的レベルにあると言えると思います。 このような状況のもとで物的保管が厳重になされているわけでありますが,人的施設に乏しいというのが岡山市の実情であろうかと思われます。例えば,年末警戒や災害時における団員が待機したり,また休憩をとる場所すらないのが大方の実態であります。岡山市と同様広い市域を有する静岡市や広島市の状況を見ますと,まず静岡の場合,機庫を鉄筋で延べ33平方メートルの2階建てとし,2階に待機室を設けております。そして,384万円を限度として80%の市費負担で整備されているのであります。また,広島市の場合は拠点機庫については,延べ80平方メートルの2階建てとし,一般機庫は延べ50平方メートルの2階建てという基準に従って,全額市費で,しかも年間6カ所程度を計画的に機庫にあわせて待機所も整備されることになっております。さらに,福岡市の様子を伺いますと,ここも広島市同様,拠点機庫,一般機庫に分けて,待機所も併設して全額市費で整備されておるようであります。 一方,県下の各都市はいかがでありましょうか。試みに各市の団員詰め所の整備状況を調べてみますと,面積や市費の負担限度等多少の差異はありますが,例えば倉敷,玉野,備前の各市では全額市費負担で整備されており,また新見市が3分の2の市費負担,井原市が70%,高梁市が80%の市費負担によって整備されているのであります。これに加えて笠岡市は5月20日の新聞によりますと,北木島分団に延べ34坪のブロック2階建ての機庫を整備し,2階に10畳の休憩室を設けたそうであります。この機庫は離島振興により485万円全額起債,すなわち全額市費負担で,しかも市内に4番目に整備されたものであると言われております。それ以前の3カ所の詰め所併用の機庫も言うまでもなく全額市費負担ということであります。これだけ実例を挙げますと,他都市の状況は十分御理解いただけたことと思いますが,では岡山市の場合はどうでありましょうか。 地元から機庫に待機所なり休憩所の整備をお願いいたしますと,必ず地元負担でという返事が戻ってまいります。機庫の用地も地元負担,出動する人材も地元負担,待機所の整備も地元負担。これでは住民の安全確保に市が責任を持っていると言えるのでしょうか。これでは東瀬戸圏の中核都市と誇示するには余りにもみすぼらしい消防行政,防災行政であると言わざるを得ないと思うのであります。 御承知のとおり消防団の活躍ぶりは本市の防災にとって,まことに大きι比重を持っていることは論をまたないところでありますが,その消防団が利用します待機所なり詰め所の整備について,市自体が確固たる方針をいまもって何ら考えていないというのであるならば,全く思いやりのないばかりか情けない消防防災行政であるといっても返答の余地はないものと思われます。 そこでお尋ねいたしますが,まず市内には消防機庫が全体で何カ所ありますか。 第2点,そのうち待機所を有する機庫が何カ所ありますか。そして,それらの機庫,待機所の整備はどのような財政負担で整備されたのか具体的にお示しください。 第3点,待機所のない機庫のうち何カ所の機庫にこの待機所を必要と見込んでおられますか。 この3点について,まず数字を示して御答弁いただきたいと思います。 最後にお示しいただきたいのは,これまでに種々実例を挙げて御説明いたしましたように,他都市ではそれぞれの都市規模なり財政力に応じて積極的に消防施設の整備に尽力されている実情等を踏まえ,今後岡山市としてはどのように消防団の待機所等を整備される方針なのか。確固たる具体性と実現性のある御答弁をいただきたいと思うのであります。 以上をもちまして私の質問を終わりますが,市長を初め担当局長の前向きの誠意ある御答弁がいただけるものと大きく期待しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。失礼いたしました。(拍手,「ばらまき行政やめりゃ1年でできる」と呼ぶ者あり)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 山田録二郎議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。 消防団員の処遇の改善についてでございますが,消防団員の方々は日夜市民の安全のために協力をいただいておるところでございまして,感謝をいたしておる次第でございます。御質問の消防団員の処遇改善につきましては,ただいま各都市の実情等につきましても種々御指摘をいただいた次第でございますが,都市にはその都市なりの経過とかあるいは条件,あるいはまた特性がございます。そうした中で,常備と非常備の消防相互が補完し合ってバランスを図って,それぞれの実情に合った方法がとられておるものと理解をいたしております。その中にありまして,消防団員の方々が本当に奉仕と犠牲の崇高な精神を持って活動をいただいておりますことに対しまして感謝をいたしておるのが現在の心境でございます。このような現状を踏まえまして,私どもが従前から報酬あるいはまた出動手当等の費用等の費用弁償,そういうものにつきまして毎年交互にわずかではございますけれども増額をしてまいっとるところでございます。 何と申しましても,目下の財政状況のもとでございますから,まず署所の整備,あるいはまた指令管制施設の強化,あるいは団を含む老朽車両の更新などがございまして,そうした緊急を要するものに対しまして重点的に対応いたしておるのが現状でございます。しかしながら,議員御指摘のように,私どもも団の処遇改善に対しましては十分理解をいたしておる次第でございまして,今後一層努力を傾注してまいりたいと考えておりますので,どうかひとつ御理解をいただきたいと思います。 その他は局長から答弁させます。 ◎消防局長(北村博君) まず,先ほど御質問の団員の処遇改善に対しまして局長の見解はということでございますが,これにつきましては先ほど市長から答弁ございましたとおりでございますので御了承賜りたいと思います。 次に,消防施設の整備についてでございますが,まず第1点の機庫の数につきましては,現在107棟ございます。 それから,第2点のこれらの機庫のうち,待機所が併設されておるものが幾らかということでございますが,これは45カ所でございます。 次に,その財政的措置でございますが,待機所につきましては現在公費での建設はいたしていないということでございます。機庫につきましては,種々の経過もございます中で,現在では全額市費をもって措置をいたしておるわけでございます。なお,コンクリートブロック約28平メー程度の規模の機庫を老朽の度合い等から順次建てかえを行っておるのが現状でございます。 次に,第3点の待機所の必要性についての御質問でございますけれども,私どもは日常の消防団活動のため,これら待機所の重要性は十分認識いたしております。しかし,現実には従来からの経過もございまして,また当面老朽機庫の建てかえを優先する等の必要から,直ちにということにはちょっとならないわけでございますが,今後全市的な観点からも,これらを掌握されておる岡山市消防団とも十分協議をしながら前向きで検討を重ねてまいりたいと思いますので御理解を賜りたいと思います。   〔23番山田録二郎君登壇〕 ◆23番(山田録二郎君) ただいま市長,消防局長から非常に前向きな答弁をいただきましたが,いま一つ物足りない向きもありますので,要望として申し上げときます。 局長から消防団詰所の整備についての答弁ですが,具体性が余りありませんので,市長,財政局長に特にお願いいたしておきます。どうか来年度から年次的,計画的に実施できる運びになりますよう新総合計画の実施計画に取り入れて,予算的措置をよろしくお願いしておきますので,答弁は要りませんが,よろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(岡本俊彦君) 次は順序に従いまして田畑君。   〔5番田畑賢司君登壇,拍手〕 ◆5番(田畑賢司君) 御苦労さまでございます。通告に従いまして4点について御質問をさしていただきます。 質問の第1は,米の安全性と輸入問題等についてであります。 農政についての概括をしてみますと,1950年代に入って戦後,農地改革の一段落,また経済の復興,自立過程と相まって国内の食糧生産もほぼ戦前水準を回復し,少なくとも終戦直後の飢餓的な食糧難から一応抜け出すことができたものの,食糧不足という基調に変わりはありませんでした。一方,国際的な農産物過剰の中で,その在庫圧力に一番手を焼いていたアメリカ政府は,51年に国内法として成立した総合安全保障法の中に農産物のMSA援助を織り込み,日本を初めとする同盟国や開発途上国に余剰農産物の処理,これを押しつける,このことに格段の努力を払ったわけであります。一方,日本政府は52年に食糧増産5カ年計画を策定し,特別の費目と経費まで計上いたしました。ところが,同年4月,朝鮮戦争終結後の深刻な不況とドル不足の中で,サンフランシスコ条約と旧安保条約が発効したわけであります。こうして日本政府は53年から56年の間に総額2億ドル以上に上る農産,畜産物を通常輸入のほか追加輸入をしたわけであります。このため食糧増産5カ年計画は流産をし,54年度の緊縮予算をきっかけに防衛関係費の急増,農業予算の削減が目立つことになったわけであります。55年以降,高度経済成長過程に入り,その基調と路線を拡大強化しながら60年代を迎えたわけであります。こうして日本はその食糧とエネルギーもアメリカの核とドルの傘のもとに置かれることになったわけであります。と同時に,安保闘争の真っただ中で農業の基本問題と基本対策が提示をされたわけであります。翌61年6月には,賛否両論沸騰の中で農業基本法が制定,施行されました。こうして63年4月現在,全品目の自由化率89%,米麦を含む農林水産物の自由化率は60%となったわけであります。この構造農政の結果,60年当時600万戸の農家が15年間で490万戸に,農業就業人口は1,200万人から590万人に半減をしたわけであります。71年に米の生産調整対策を5カ年計画,これで継続をする,この旨の稲作転換の推進についての方針を決め,構造農政から総合農政へと看板を塗りかえましたが長続きせず,72年の凶作,73年の石油ショックで総合農政の継続は不可能となり,75年総合食糧政策が発表されました。この食糧の安定的供給の確保という新農政の眼目の一つは,国内農漁業の重視ではなく,いつでも海外依存の方向に切りかえられることを意味したわけであります。このことは安倍農林大臣とバッツ農務長官の主要農産物の安定取引の合意,このことで実証されているわけであります。こうして80年には,農家戸数と農業就業人口は430万戸,410万人へとさらに激減をしたわけであります。 本市もこの農政を受けてこの推進を図ってきたわけでありますから,総農家数も本市においては1万8,503戸となり,しかも71年以来の減反政策は農民の生産意欲を失わせてまいりました。岡山市の農林水産業の中の農家人口就業構造,これは岡山市の資料でありますが,この推移から見ても,男子の主な働き手が約70%も農業を離れている,こういう驚くべき事実が証明をしているわけであります。これは16歳から39歳の男子であります。そして今,農民の怒りの中で減反政策をやりながら韓国米を輸入をしようとしているわけであります。この今日の事態は政府の需給計画の立て方と過大な生産調整に原因があります。穀物自給率が33%と異常に低下をする中で,米まで輸入に道を開くことは,我が国農業の将来,主食の供給を一層不安に陥れるものであります。本市が今なすべきことは,本市の農家を守るためのあらゆる手だてをとることであると思います。一昨日の鈴木議員の質問に対する答弁,本市の基幹産業が農業であると位置づけているならば,どうしてもこの手だてはあらゆる手だてをとらなければならないと界います。 そこで1,53年産古米について安全検査を厳格に行うとともに,安全が確認されないものは出荷をやめること。現に出回っているものについては回収に努めること。 2,韓国米は当然在庫米であり,毎年20万トン前後アメリカから輸入している。したがって,安全とは言えない。 3,他用途利用米の制度見直しを行い,加工用には下位等級米をもって当たること。 4,59年産米の緊急増産措置を講ずるとともに,早場米の集荷促進など可能な手だてを尽くし,輸入を回避すること。 5,米の需給計画を見直し,減反面積の大幅緩和を図ること。生産者米価のあり方も抜本的に見直すこと。 以上の5点について市の現状も含めて明らかにしていただくとともに,これに対する市の判断,考え方及びその断固たる決意をもう一歩突っ込んでお聞かせいただきたいと思います。 質問の第2は,精神障害者及び酒害対策についてであります。 精神衛生法第3条の定義によりますと,精神障害者といいますのは精神病者,中毒性精神病者を含んでおりますが,あるいはまた精神薄弱者及び精神病質者をいうと,こういうふうになっております。岡山環境保健所内の患者数は69年の4,334人から83年は6,454人と,49%もなこういう大幅な増加傾向にあります。管理化が深まる現代社会のひずみから家庭内暴力の多発,非行,登校拒否,心身症や中年期うつ病の激増,アルコール症や覚せい剤汚染の広がり,老人性痴呆の増加等々の不適応症状と,こういうことになってあらわれているわけであります。 精神障害者の医療は隔離閉鎖的方法を中心とする傾向が長く続いてまいりました。こうした医療のおくれと福祉対策のおくれ及び社会の根強い偏見,こういったもので精神障害者の社会復帰,自立を妨げてまいりました。福祉で言えば精神障害者福祉法,いわゆる基本法がないわけであります。そこで,本人はもとより家族や医療従事者はこの基本法の制定を熱望しているわけであります。県議会でもこの制定を要望する陳情が採択をされたところであります。しかし,心身障害者対策基本法2条の定義が非常にあいまいであるため,この対策が遅々として前進をしておりません。2条の定義によりますと,いろいろありますけれども略をしまして,その項だけ取り上げますと「又は精神薄弱等の精神的欠陥があるため,」と,こういうふうになっております。当然この定義の中には精神障害者が含まれて,精神薄弱者と同等の扱いを受けるべきと,こういうふうに思いますが,この法の不整備のため実行されていません。この法の不整備によって福祉の谷間に置き去りにされた精神障害者は,社会的偏見の中で小さくなって生きてきた。また,自分みずからを語ることができない。こういうことから,こういう歴史を持っているわけであります。したがって,最近になってやっと医療の進歩や医療従事者の献身的な努力や,また家族会などの努力によって,かぎをかけて閉じ込めることが心病んでいる人にとってよいはずがない。問題はどうすればそのかぎを外せるか,こういうことで実証もされ,また理解も広がってきたわけであります。この歴史が法の不整備や今ある認識のずれを生み出した証明でありますが,しかしこのわずかな前進が痴呆性老人対策や精神障害者対策や酒害対策など,わずかな前進を保証したということは疑う余地のない事実であります。 そこで,お尋ねをしたいわけでありますが,1,本市としてはこれらのことをどのように受けとめて,どういう対策を講じようとされているのか。 2としては,鎌倉市などでは共同作業所でありますけれども,共同作業所といいますのは,これはリハビリの一つでもありますし,またこの運営には非常に困難を来しております。指導員の人件費,これも皆ボランティアでやっておりますが大変であります。それから,諸経費,交通費,家賃,この当然な必要経費がなかなか生み出せなくて一時中断をしたり,またやめたりいろいろあるようです。こうした中で鎌倉市では,共同作業所までの交通費を支給をするということを今年度予算化しているわけでありますが,岡山市内でも浦安荘だとかふりこの会だとかあります。こういう共同作業所に対してですね,本市の共同作業所も非常な困難をしているわけでありますから,当然本市も助成を拡大をしていただきたいと,こう思うわけであります。 また,これを支えていく上での家族会ですね,これが大変な役割を果たしていますし,またこれに対して助成が必要なわけですが,これについても同じようにお願いをしたいというふうに思うわけであります。 それから,社会的偏見を取り除くなどの啓蒙活動についてですが,まず市民だより,市政だよりですね,こういうところからでもひとつ啓蒙活動を取り組みを進めていただきたいというふうに思うわけであります。 また,浦安荘に通うにしましても,岡山から妹尾駅まで行って,そこからバスで行くと,こういうふうになっとるわけですが,こういう交通費も大変な状況です。したがって,こういうリハビリ参加の交通費,こういうことについても御援助をいただきたい。 また,備前市その他の自治体で行っておりますが,今なかなかこの辺は議論があるようですが,国民健康保険の医療費の個人負担,これを免除しているわけでありますが,これについてもひとつお考えをいただきたい,御検討いただきたいいうふうに思うわけであります。 また7番目は,公営住宅への単身入居ですね。もうこれもなかなか単身になってしまって行くところがないと,民間でいけば家も貸してくれないと,こういうわけでありますから,ひとつこれもお願いをしたい。 また,高知市や葛飾区など多くの自治体で今アルコール症相談事業に取り組んでいるわけでありますが,この点についてもアルコールで失敗をされる方もたくさんいらっしゃいます。こういう中でひとつこのアルコール対策も取り組みをしていただきたいと思うわけですが,以上8点について市長及び関係局長の誠意と温かさにあふれた御答弁をお願いをしたいと思います。 さて,第3番目の問題は,拡声機等による暴騒音の規制条例についてであります。 この条例は2月19日の県議会で言論,表現,集会の自由を制限するものであり,違憲の疑いがある,こういう声を封じて可決をされ,運用の基本原則とも言える県公安委員会規則,これとあわせて7月1日から施行されることになりました。そして,御存じのように同日,県教組大会の妨害を行う右翼2人を逮捕したと,こういうわけでありますが,罰金5万円ということで略式で決まったと,こういうふうに聞いておりますが。こうしたことはこの条例によらなくても十分現行法で対応できるはずのものでありますが,そうしないというふうになっているわけでありまして,そこで市長の御見解をお伺いしたいと思うわけであります。 問題点を整理をしてみますと,1,憲法で保障される言論,表現,集会の自由が大きく規制をされ違憲であると思われるが,どうですか。 第2,直接のきっかけとなった右翼の蛮行はこの条例を除いて現行法で十分取り締まれる。 3,現場の状況判断が警察官の裁量に任されており,妨害を意図して複合騒音状態をつくった方の割り出し方,これは非常にあいまいになってしまいます。 4,直接の被害者が生ずる法益侵害がなくても罰則が科せるという刑事法上の問題もはらんでいる。 第5,同条例は騒音規制法で定められている基準よりも重くなり,その根拠法との関係が問題となる。 6,同条例は公害対策基本法に抵触するのではないか。 7,同条例第2条の2及び第6条などに関連をして,飲食店におけるカラオケ騒音も取り締まりの対象となります。同条例では軽犯罪法より重い上,設備の改善やそれに必要な低利の融資をする,こういう行政施策がとられないことになってしまいます。また,防音装置を施しましても,音が漏れるのは換気扇から漏れるわけです。防音装置を施しましても換気扇から漏れます。そうすると,保健所は換気扇の閉鎖は絶対に認めないと,こういうふうに言っているわけであります。議員の皆様方の中にもカラオケが大変お好きな方たくさんいらっしゃいますけれども,こういう立場からではございませんけれども,こういうふうになりますと,測定方法や場所の問題も含めて警察とも事前に十分にこの点については話し合っていただかないと,いろいろトラブルが起きてくるのではないかと,こういうふうに予測もされます。したがいまして,この不況の中での飲食店の営業を守る点,こういう立場からの対策も必要となってまいりますので御所見をお伺いをいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。 さて第4は,表町の市街地再開発事業についてであります。 評価されるべき点といたしましては,従来のビッグテナント方式,こういう商業再開発ではなくて,公共施設整備を中心とする再開発事業,こういう点は高く評価をされるわけでありますが,幾つかの疑問点や不安な点があるのでお尋ねをしたいと思います。日南議員のお答えもありますけれども,ひとつその点もう一歩突っ込んでお願いをしたいというふうに思うわけですが,まず第1は事業主体である組合の計画そのものが十分固まっていないのではないか。また,ホールそのものに対する補助,これについて確実なめどが立っていないといいますか,それともないといいますか,こういうふうに聞いておりますが,市はこういう点についてどうお考えになっているか。また,これで大丈夫だというふうにお考えになっているのかどうか。 第2は,県,市,財界で当面1億円の出捐金で財団法人を設立するとのことでありますが,総事業費が100億円を超える,こういうふうに思われます。したがって,そうしますと財界負担とすれば30億円を超えるということになりますが,本当にこれが負担できるのかどうか。私の懐じゃありませんからよくわかりませんけども,市の方はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。また,県議会の議決が得られていない,この点はどうでしょうか,こう思いますがどうでしょうか。 今後,保留床を取得をする段階で基本財産をふやしていかなければなりません。したがって,さっきの推定からしますと約30億円の資金が必要になりますが,この資金はどうなさるおつもりか。もしですね,起債で賄うと,こういうことになれば,起債のピークが61年ということでありますから,予定から言えば62年起債発行ということになりますが,財政上の無理は生じないのかどうか。 4番目,技術援助は財団法人がやるのか,それとも都市再開発課がやるのか,この点についてお伺いしたいと思います。 そして5番目は,もしこの活性化問題で言いますと,商店街や商店主の自助努力に期待をなさっていらっしゃると,こういうことでありますが,それは非常に大切なことでありますが,しかし巨額の資金を投じるわけでありますから,もしうまくいかない場合,この場合にビルの管理運営費の赤字が一つは想定されます。ホールそのものの収益事業の赤字が想定をされます。 それと同時にもう一つは,市が旗振ってやったんだから,もしうまくいかなくて権利床,保留床を売りたいと,出ていきたいと,全国にはたくさん事例があります。そこへサラ金が入ったり,いろいろ歯抜けになった問題起きておりますが,権利床譲渡分の責任を市が背負い込むことになりゃせんだろうかと,これは当然起きると思います。 それからまた,そういう点から見て,ホールそのものの採算性についてはどういうふうにお考えになっているのか。 それからまた,ホールについてでありますが,神戸や大阪などのホール,これを見さしていただきましたけれども,大規模なものの利用状況は非常に悪いんですね,大規模なもの。で,舞台も広くとって専門家の意見も聞いて,音響効果もよいと,これでは1,000席前後が一番いいと,こういうことなんですね。そうしますと,採算性の面から見ても,いろいろな諸条件から見ても,大きいほどいいものだと,大きければいいものだというふうには考えられないんじゃないかなあと。したがって本市も中ホールを考えた方が効率もよくて危険性も少ないんじゃないかなあと,こういうふうに考えるわけでありますが,市のお考えをお聞かせいただきたい。 余談でありますけれども,大阪城ホールも行ってみましたけども,つり天井して相撲ができるような装置もしとるんですけども,ところが相撲は来ないということで,まあこれは先走りましたということで言っとりましたけども,こういうふうにならないようにひとつお考えをいただきたい。 8番目は,駐車場の問題ですが,県としては現在調査中と,こういうことでありますから,駐車場が建設されない場合はどうなさるのか。また,駐車場が建設をされた場合でも建設費はかなりの巨額になる。したがって,駐車料金は高く取らなければ運営ができなくなります。そうすると,料金が高ければホールの利用率は低下をせざるを得ない,こういうふうになりますので,その計画の概要,収益予想,あるいはその基礎となる駐車料金などの予想とあわせてその対策なりお考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(岡本俊彦君) 午後1時まで休憩をいたします。    午前11時35分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後1時6分開議
    ○議長(藤原貢君) それでは,午前中に引き続いて会議を開きます。 当局の答弁を求めます。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 田畑議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 米の安全性と輸入問題につきましてでございますが,御指摘の問題につきましては7月2日の鈴木議員に御答弁申し上げたとおりでございますので御了承願いたいと存じます。なお,国の今回の処置につきましては遺憾に思っておる次第でございます。 次に,精神障害者及び酒害対策についてでございますが,医療の進歩,人権意識の高まり,また精神衛生への社会的関心の増大などから,従来一般社会から隔絶された場所に収容されて治療を受けていた精神障害者とか,あるいはまたアルコール中毒患者が今日では,できるだけ地域社会の中で生活をしながら治療を受けるとか,社会復帰のための社会適応訓練を受けることが奨励をされておるのでございます。しかし,地域の側の受け入れ態勢が整備されていないために,精神障害者の中には長期入院や再発再入院の繰り返し等,地域への定着が困難なものが多いのが現状であると思います。地域において患者を受け入れ,支えていく基盤を整備することはぜひとも必要でございまして,御指摘のように精神障害者が地域社会で生活していくための援助システムの整備とか,福祉的なアプローチは重要であると考えます。今後,痴呆性老人対策も含めまして県とも十分協議をいたしまして,積極的に検討してまいりたいと思う次第でございますので御了承いただきたいと思います。 次に,拡声機等による暴騒音の規制条例につきましてでございますが,本条例の制定に当たりましては,その趣旨,目的はあくまでも善良な県民の日常生活に支障を及ぼすような暴騒音を発生する拡声機等の使用を規制するものといたしまして検討をなされた経過がありまして,国民の権利である表現の自由を不当に侵してはならないことは当然でございますし,県議会においても論点となったことは御承知のところでございます。したがって,本条例の施行に当たっては,本来の目的を逸脱をし,これが乱用されてならないことは,これまた当然の理であると思います。しかし,この条例が違憲であるとか,現行法で対応できるのではないかというような点につきましては,裁判所の判断やあるいはまた警察等司法関係機関の所掌の分野となりますので,答弁は差し控えさしていただきたいと思いますので御了承お願いします。 次に,芸術音楽ホール(仮称)の問題でございますけれども,再開発事業の事業計画は地元の再開発準備組合で現在精力的に進めておるところでございまして,ホールの誘致をこの事業の基本方針として決定されているのでございます。 再開発事業に対する補助につきましては,60年度の新規事業として採択されるよう建設省へ要望しておる次第でございます。なお,補助額につきましては,従来の通常の再開発事業に対する補助は認められないということが言われておりますけれども,そうでなくて認めてもらえると考えておるわけでございます。この事業は従来の再開発のような商業再開発ではなくて,ホールという公共施設の整備を目的とする特別の事業でございますので,補助額の拡大等につきましても関係機関へ強く働きかけてまいりたいと思っております。 財団法人の設立等につきましてでございますが,この財団法人の設立は県及び経済界と共同で設立しようとするものでございまして,設立のための出捐金につきましても,さきの公明党の日南議員に御答弁いたしましたとおり,県,経済界とも応分の協力が得られるものと確信をいたしておる次第でございます。 また,御指摘のホールの取得費の調達につきましても,今後県及び経済界と十分話し合って解決していきたいと考えておりますので御了承をいただきたいと思います。 その他は関係者から答弁させます。 ◎助役(鹿子木貢君) 田畑議員のただいまのホールの財団法人関係の御質問のうち,県議会の議決関係についてお答え申し上げます。 岡山県におかれましては,通常6月議会には補正予算を提案されないというならわしがあるそうでございまして,県議会の議決は御指摘のとおりまだ議決されておりません。ただ昨日,日南議員にもお答え申し上げましたように,また今市長も申されましたように,県,市,財界の3者により公益法人を設立するために,県におかれても応分の御協力が得られるものと信じております。 以上でございます。 ◎財政局長(中野正志君) 田畑議員の一連のホールに関係する問題の中で,財政上無理は生じないのかというふうな御質問がございましたのでお答え申し上げたいと思います。 御承知のとおり,この芸術音楽ホール(仮称)は瀬戸大橋の架橋記念事業としまして県,市,財界で計画されているものでございますが,岡山市にとりましても極めて大規模な事業でございまして,その負担も多額になるであろうというふうに考えておるわけでございます。財政当局といたしましては,これが実施に当たっては十分なる覚悟を持って取り組まなければならないと,このように考えております。したがいまして,これを予算化する時点では,財政的に非常に厳しい状況になることが予想されますので,財政運営上,将来無理が生じないよう財源措置等も含め,計画的に十分検討してまいりたい,このように考えております。 ◎衛生局長(竹原良一君) 拡声機等による暴騒音規制条例の一連の御質問のうち,市長の御答弁を補足してお答え申し上げます。 まず,妨害を意図して複合騒音状態をつくった方の割り出し方はあいまいであると思うがどうかという御質問でございますが,これにつきましては6月11日の県議会における県警本部長の答弁にもありましたように,後から放送に加わるなど妨害の意図が認められる側に対し勧告を行うべきであり,被害者的立場となるものは保護するよう県下の署長会議で決定を図った,との運用についての見解が示されております。 次に,直接の被害者が生じる法益侵害がなくとも罰則が科せられるという刑事法上の問題もあると思われるが,その見解はというお尋ねでございますが,法益につきましては社会的,国家的,個人的な三つの利益がありますが,この場合は社会の平穏という社会法益の侵害という考えではないかと思料いたします。 次に,騒音規制法の基準より厳しくなり,その根拠法との関係が問題にならないか,また公害対策基本法に抵触しないかというお尋ねでございますが,本条例で対象となっております拡声機等の騒音については,騒音規制法の規制対象から外れており,地方公共団体がそれぞれ独自の判断で自主的に条例を制定し,規制していくことは可能であると考えております。 次に,飲食店等からのカラオケ騒音等の測定方法,場所についてというお尋ねでございますが,カラオケ騒音等の測定方法につきましては,本条例に定められておりまして,当該営業所の境界線の外かつ直近の地点で測定し,測定値の90%レンジの上端値とすることとなっております。この種の騒音測定は,発生者と被害者側の建物の配置及び構造,地理的条件等がそれぞれ異なるため,画一的な測定場所を限定することは不可能ですが,客観的に当該営業所における最も代表的となる公平妥当な箇所で行われることになろうかと思われます。 以上でございます。 ◎経済局長(藤昭博君) 米の安全性と輸入問題に関する一連の御質問に御答弁申し上げます。 まず,53年産米の安全性の問題でございます。53年産米の薫蒸剤の残留問題につきまして厚生省と食糧庁において調査を行いました結果,臭素が検出されました。そこで,国といたしましては安全性を保障するという観点から,残留基準を暫定的に50ppmとするように示されたことは御存じのとおりでございます。今後,食糧庁はこの暫定基準に適合するものであることを確認した上で売却するということにいたしておりますので御了承賜りたいと存じます。 なお,すでに出回っております53年産米につきましては,外食産業等に売却されまして,すでに消費されておると,回収は不可能であると聞いておるところでございます。 次に,韓国米の安全性はどうかという御質問でございました。新聞報道によりますと,韓国から返済される米は在庫米が使われるようでございます。で,韓国の保管倉庫はほとんどが常温倉庫でございまして,我が国と同様化学物質で薫蒸されていると言われておるところでございます。したがいまして,輸入米自体の汚染の危険性が指摘されておるところでございますが,食糧庁におきましてはきちんと検査すると言っておりますので,我々といたしましては動向を見守ってまいりたいと,このように考えておるところでございます。 それから次に,他用途利用米制度の見直しの問題でございます。7月2日の鈴木議員の御質問に対しまして御答弁申し上げましたとおりでございます。本制度の見直しを国に対して強く要望しているところでございます。 それから早場米の集荷促進を行って輸入を回避すべきではないかという御質問でございます。韓国産米の返還につきましては市長から御答弁申し上げたとおり,まことに遺憾でございますが,すでに両国で合意されているところでございます。国におきましては,53年産米に起因する韓国産米の返還は本年限りの措置ということでございますので,次年度以降におきましては,このような問題が起きることのないよう要望してまいりたい,このように考えております。 また,米の端境期における対応につきまして,早場米地帯の協力を得て国は9月に100万トン,10月までに400万トンの出荷ができるとしております。きめの細かい操作をすれば主食の供給には心配ないということでございました。 それから,需給計画の見直しの問題でございますが,米は国民の主食でございますと同時に,稲作は我が国農業の基幹をなすものでございます。米の供給は国内産で全量供給すべきものであるという方針を堅持してもらわなければならない,このように考えておるところでございます。 次に,減反面積の緩和の問題でございます。国は一定量の備蓄は不可欠と基本的な立場を述べております。天候などを見て弾力的に考えていくとしておるところでございます。市といたしましては,県市長会を通じまして緩和を要望いたしておるところでございます。 生産者米価の見直しの問題でございます。ことしの政府の米価算定につきましては,5月25日の米審懇談会で了承の上,公表されました。その算定方式は,生産費及び所得補償方式でございまして,大方の意見が一致したと聞いておるところでございます。農業団体におかれましても,今年度の米価要求は生産費及び所得補償方式によって要求しておりまして,60キログラム当たり昨年決定米価よりも7.7%アップの1万9,384円とすることに決めているところでございます。市といたしましては,農業団体から米穀政策,価格等に関する要請を受けまして,県市長会を通じて7月2日付で全国市長会,県選出国会議員等に対して上申しているところでございます。 ◎建設局長神原俊彦君) 心身障害者の公営住宅への単身入居の問題でございます。単身者の公営住宅の入居につきましては,昭和55年5月17日付で公営住宅法施行規則の改正がありまして,優遇措置が設けられたわけでございます。しかし,精神上著しい欠陥がある人の単身入居は認められておりません。そういうことでございますので御理解のほどよろしくお願いいたします。今後県に法改正の要請をしていきたいと思っております。 それから,表町の再開発の問題でございます。技術援助を財団法人でやるのか,都市再開発課でやるのかという御質問でございます。設立しようとする公益法人の基本的な役割は,再開発事業によってつくられるホールの管理であります。事業の初動段階から事業推進に一定の協力をすることにより,より望ましい施設の実現を図ろうとするものでございます。 なお,他の一般の再開発事業と同様の技術援助につきましては,都市再開発課の方でやっていかなければならないと考えております。 それから,建物完成後の管理の問題でございますが,ホールの管理運営はこの法人が責任を持ってやることになっておりますが,完成後のビル全体の管理につきましては,今後開発後のビルの区分所有者全体で決めていくことになっております。区分所有者全体の責任であり,区分所有者がビルの管理をこの法人に委託することを求めた場合には,受託することもあり得ると考えております。たとえ受託した場合でも,従前の権利者の資産の置きかえとしての権利床の運営は,各権利者個人の問題でありまして,市の責任にも,この法人の責任にもならないと考えております。 それから,ホールの赤字を御心配のようでございますが,御指摘のとおりホールの管理につきましては,ホールの使用料で管理費を賄うことは不可能であろうと考えております。そこで,管理費を少なくするよう最大限の工夫をしていきたいと考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いいたします。 それから,大ホールでなく中ホールではという御質問でございますが,瀬戸大橋時代の到来によって新しい文化,生活圏が形成され,また中核都市としての役割が高まることが予想されるので,総合文化都市岡山の創造を図るためにも,音響効果はもちろん,高度な芸術公演のできる機能を持ち,収容力の大きいホールが必要であろうと考えております。 なお,市民の文化活動の発表の場,あるいは練習の場として中規模のホールが必要であるという声もあるわけでございますが,一方では音響効果のよいホールで外人演奏家等による質の高い芸術公演を求める声もあります。このような場合には,興業面からもある程度の規模の大きいホールが必要であろうかと考えております。いずれにしても,ホールの規模,機能につきましては,今後利用実態についての調査等を行うとともに,専門家の意見,利用者の意見を参考にしながら決めていきたいと思っております。 駐車場の件でございますが,駐車場が建設されない場合はどうなるのかという御質問でございますが,ホールには駐車場施設が不可欠であります。そういう気持ちで県当局に対しまして強く働きかけていきたいと思っております。 駐車場の計画でございますが,駐車場の計画につきましては,県におきまして58年度,59年度の2カ年で調査検討することになっております。58年度におきましては,都市交通の動向,駐車場の現況,将来の需要推計,整備計画等についての調査をやりまして,その結果500台程度の駐車場を建設すれば需要に対応できると見通しを持っておるようでございます。計画の詳細につきましては,まだ明らかにされておりませんが,今年度は環境影響調査を実施するとともに,専門家を加えて駐車場検討委員会を設置し,採算性,管理運営のあり方,駐車場の形式についての検討を県では行おうとしておりますので,その推移を見守っていきたいと,このように考えております。   〔5番田畑賢司君登壇〕 ◆5番(田畑賢司君) まず,米の問題についてですが,本市の基幹産業を農業として位置づけられているとすれば,やはし今こういう事態の中で大変怒りを持っている農家の立場にどうして立つかと,ここが重要だろうというふうに思います。それで,いろいろと取り組みをなさっていらっしゃるようですが,もう一歩やっぱり突っ込んでですね,政府に対しても県に対しても強く申し入れて,本当に本市の農家を守っていくと,農業を守っていくと,この立場が必要だろうというふうに思います。 それで,一つはジャーナリストの島孝二さんという人が言ってる中身ですけどもね。5月の26日に米を輸入しますということで農業学者や農業団体の幹部のおたくに,農水省筋から電話がかかってきたと。その中身はこの53年産米の安全に問題が出てきたと。だからこれを理由に輸入をすれば世論も納得せざるを得ず,面目も立つ。手初めは韓国あたりからでしょう,ということなんですよね。そうすると結局,今ちまたで言われてるのは,アメリカからチョゴリを着て米がやってくると。この次はカリフォルニアから直接やってくると。こういうことが言われてるように,その点ではここが入り口でどっと道を開いていく突破口になっていくということで,この入り口で非常に大切なところだろうというに思いますので。 それから,59年,60年の米穀年度の需給見通しですが,一つお伺いしたいんですが,市として需給見通しを検討されたかどうか。で,ひとつこういうふうに言われているんです。58年産米が1,037万トンとれたというけれども,実際には昨年9月,10月で65万トン早食いをしたと,58年産米の集荷計画は720万トンだったが,700万トン弱しか集まっていない。59米穀年度の主食用の需要量を前年度より23万トン少なく見積もっているというが,これまでの動向から見れば10万トン前後だと。こうすると合計で100万トン前後の狂いが出てくるんですよ。8,9月は大変ですしね。そうすると8,000円から安い他用途米を結局は主食用に回す。農家の方から言やあ,そんな他用途米で安う取られた言うとおかしいんですけども,そうしたらそれを主食に回すんだったら,主食用で買うてくれえと,当然その補償をしてくれえと,これは当然だと思うんですよ。したがって,そういう危険性があるので,需給見通しについてもう一度お伺いをしたい。で,これについてですね,他用途米はもうほとんど同じ米でしょ。これで8,000円違うわけでしょ。ねえ。で,この点で市としてはどういう事態を想定しているのか。時間がありませんから,水田再編対策の問題や,ここへも岡山市の取り組みの状況があります。水田再編対策……ね,資料があります。この中でも市長さんがおっしゃってる中にちょっと矛盾をしたような状況もありますけれども,時間がありませんから省略しますが,今の点についてもう一度お答えをいただいて,本気で少し取り組んでいただくということで,再度決意をお聞かせをいただきたいというふうに思います。 それから,精神障害者の問題ではなかなか法の不整備もあって,取っかかりがつかないんですが,大変前向きの御答弁をいただきまして,本当ありがとうございます。で,この点をもっと光を当てていただくということでお願いとして一,二点御紹介をしておきますと,家族の方々,本当に大変です。一つはこういうふうに報告をしてるのがあるんです。妹の発病で病院での診断や治療,また入院させるにも保険証がきかず全額負担で,とても金が続きませんと,金を借りている農協や民生委員,役場等に相談して回りましたがどうにもならず,仕方なく残る家族の生活を守るために約2年放置状態に置いてしまったと,その妹を。で,病状はだんだん悪化していくと。こういう中でもう飯も食えなくなっていくと。近隣やいろいろな方から,あれは飯も食わさずにほっとくん,とかいろいろなことで大変困ってるということや,単身者がふえるのは入院をして,そのときにやっぱり家族の方が離縁をされるわけですね。離別をされるんですね。子供を抱えて出ていかれるとかいうことが起きて単身者がふえていくと。こういう事態ですので,ひとつぜひとももう一つ県の取り組みとしては,ここへ一,二ありますけれども,酒害対策の実施状況ね,ここにあるんですけども,アルコール問題関係者,愛知県で全国の都道府県の保健所や県に対して聞いてるんです。ここで,56年の6月の調査ですが,これに回答してないのは群馬県と岡山県だけなんです。ほんまこの回答すらしていないんですよね,取り組みについて。これじゃあやっぱりいかんと思うんですよね。で,ここにやっぱりひとつやっていただきたい問題としてはあるわけです。県に対しても強く要望していただくということと同時に,やっぱり市としてもこの窓口を開いていただきたいと。こういうふうに思いますので,資料の細かい点は時間がありませんので省きます。 拡声機問題について言えば,一つは同じ音をもう一遍出して調べるわけにいかんのです。ね,そうでしょう。そうすると現場の警官が行っても,その騒音計で85ホーン以上とこう出たら,これについてもう違法な停止命令であろうがなかろうが争えないんですよ。これはもうどうしょうもないんですよ。で,そうすると,この条例の運用も公安委員会に委任しているわけだから,この言論,表現などとりあえず条例としては大変大きな問題がある。乱用の危険性がある。したがって,ここのところについちゃあね,やっぱり県なりによく相談もして申し入れることはどんと申し入れていただいて,きちっと運用していただくいうふうにしていただかなきゃならんと思うんです。 それともう一つは,騒音規制法で規制されとる85ホーンというのは,建設現場のくい打ちの音ですよね。そうすると,それも敷地の境界線から30メーター離れたところでしょう,ねえ。これを拡声機から5メーター離れたところではかる85ホーンと建設現場の境界の敷地から30メーター離れた……全然違うんですよ,中身が。そうでしょう。だから,その点についてきちっとしてほしいということですよ。この点は飲食店の問題も,そういう状況の中だからうまくいかないんですよ。で,換気扇から漏れることについちゃどうしようもないんですよ。で,この点についてひとつもう一度お答えをいただきたいし,県に対して要望もしていただきたい。 それから,再開発の問題ですが,これにつきましていろいろお答えいただいたんですが,瀬戸大橋時代のため収容力の大きいものということなんですが,規模が大きけりやいいというもんじゃありません。特に必要なのは,やはし今の商店街の振興策です。ここがどうなるか,ここですから,この点についてもう一度本当に商店街が活性化されるのかどうかお伺いしたいと思います。 ◎衛生局長(竹原良一君) 建設作業音との関係についてお話がありましたが,人間の聴力保護の観点から,その限界が90ホーンと言われておりまして,その点を配慮して85ホーンという数値になったものと考えます。 建設作業音との比較につきましては,建設作業音は必要な産業活動に伴って発生するものであり,意図的な拡声機騒音とはおのずと性質を異にするものであります。 また,拡声機騒音の測定距離5メートルは,通常人に影響を与える平均的な距離であり,また10メートルの距離は暗騒音を考慮して定められたものと考えられます。いずれにしましても,この運用につきましては,今後県の対応をしばらく見守っていきたいと考えておりますので,よろしく御理解いただきたいと思います。 ◎経済局長(藤昭博君) さきにも御答弁申し上げましたとおり,米は我が国農業の基幹をなすものでございます。したがいまして,国民が食べる米は全量国内産で供給するという方針を堅持してもらうように,我々といたしましても農政上あらゆる努力を傾倒してまいりたいと,このように考えておるところでございます。 それから,需給の見通しでございますが,米の需給が逼迫いたしておりまして,需給計画の見直しが指摘されておるところでございます。市といたしましては,需給計画の中で潜在生産量を算出する基準反収におきまして若干の開きがあるのではないかと考えておるところでございます。すでにお答え申し上げておりますとおり,国に対しまして要望しておるところでございます。 それから,他用途利用米を主食に回すというこの辺の問題でございますが,国は主食には回さないと言明しておるところでございまして,端境期には早場米で対応するということでございます。市といたしましては,他用途利用米の制度の変更のない限り,主食には回らないと考えておりますし,またそのようなことはしてはならないと,このように考えておりますので御了承賜りたいと思います。 ◎建設局長神原俊彦君) 再開発準備組合の方でも活性化するということで,このホールの誘致を決定しておるわけでございます。このような文化施設を設置することにより,商店街が活性するだろうと,そのように市としても思っておりますし,ビルの施設構成につきましては,商店街と今後協議をしていきたいと,このように思っております。 ○議長(藤原貢君) 次は順序に従いまして垣下君。   〔8番垣下文正君登壇,拍手〕 ◆8番(垣下文正君) 大変お疲れのところでございますが,しばらくの間お時間をちょうだいいたします。私の前が共産党の田畑さんでございまして,またこの私の後が共産党の近藤さんでございますので,安息のひとときを当局の方にもひとつ時間を持っていただきたいという議会からのお働きではないかと思いますので,ひとつ気楽に答弁をしていただきますようによろしくお願いいたします。ただし,詰めるところは詰めていきますので,詰めがない場合には再再質問までやらしていただかなければならないということになるかもわかりませんので,そういうことのないようにひとつよろしくお願いをいたします。 それでは,今回は新岡山空港建設に関しての問題点のみを集中して質問をさしていただきます。 新空港建設に当たりましては,三和,日応寺地区を初めといたしまして多くの地域の住民たちが県のため市のためふるさとのためにと,住み慣れた家を山林や田畑を提供しておられます。そういった多くの人たちの理解と犠牲の上に空港建設が進められておることは皆さんよく御存じのことと思います。そういった人たちのためにも,不便な空港,使いにくい空港というようなレッテルを張られることだけは決してあってはならないと思います。お示しになられました国土利用計画の中にも「瀬戸大橋,新岡山空港,山陽自動車道等の広域交通網の整備効果を生かした先端技術産業の立地と,これに必要な情報・研究機関等の設置を促進し,均衡ある地域経済の基盤整備に努める。」とうたってあります。これが言葉の遊びだけに終わらぬように念じてやまないところであります。 それでは,通告に従いまして質問をさしていただきますが,通り一遍の答弁ではなく突っ込んだ答弁をいただきますように心からお願いを申し上げます。 まず最初に,道路問題についてお尋ねをいたします。新岡山空港の連絡道となります国道53号線岡山北バイパス,津島─吉宗間7.4キロメートルについてでございますが,これは58年9月定例,59年2月定例議会の質問でよく御存じのことと思います。現在の国道53号線の車の量は大変なものでございましてパンク寸前でございます。朝のラッシュ時には辛香峠まで車の列が続くことは毎日のことで,珍しくなくなっております。再三にわたってバイパスを吉宗まで早期に整備してほしいと要望しておりますが,津島─横井上3.8キロメートルのみが事業化をされ,横井上から北のバイパス事業についてははっきりとした予定が立っていないのが現状であります。これでは吉宗─横井上間が沈滞することは目に見えていることであります。お尋ねに対して関係機関に強く要望をしてまいりたいとの再三の局長答弁でございましたが,本当にどのくらい強く要望をされておるのか,また強く要望をされておるのなら見通しはどの辺まで行っておるのかを詳しくお聞かせをいただきたいと思います。 次に,吉備新線の建設進行状況についてお尋ねをいたします。当初の計画では空港開港までに田益,新空港,吉備高原都市を結ぶという計画やに聞いておりましたが,先般の交通対策調査特別委員会での説明では,新空港から吉備高原へは早期に着工するが,新空港から田益間についてはいつになるのかはっきりした予定が立っていないとのことでございました。こういったことでは駅前から新空港へは時間的にますます遠のくばかりであります。53号線北バイパス同様途中で切断されているわけでございまして,政治的に岡山市自体が県,国としっくりいっていないのではないかと地元では大変心配をしているような次第でございます。建設局長も市役所内からのたたき上げではなく,大抜てきの上で新しく御就任をなさったわけでございますので,手土産がわりといっては何ですが,せめてどちらか1本の道でも貫通した道をつくっていただきますように心からお願いを申し上げます。この吉備新線についての見通しも詳しくお聞かせをください。 次に,日応寺・栢谷線の拡幅についてお尋ねをいたします。この線は部分的には拡幅が進んでおりますが,空港の本体工事目前に迫っている現在でさえ多くの箇所が狭いままで放置されております。特に今回は,香和中学校北側の拡幅にしぼってお尋ねをさしていただきます。拡幅をするためには,現在ある技工室,給食室,プールを移転しなければなりません。引き移転をするわけにはいきませんので,そのためには当然それらを新築する必要があります。多額の費用を要するわけでございますが,県側としてはそのわずか一部を負担すると言ってきておると聞いております。これでは余りにも市側の負担が大きくなり市としても結論が出しにくいことはよくわかります。しかし,ここで問題となるのは,なぜ拡幅を決定する際に県と市が細部にわたって交渉をし話し合っていなかったのかということでございます。当然,県側にも問題はありますが,市の側にも組織の構造上に大きな問題があると思われます。そして,こういった場合,いつも犠牲となるのが力の弱い住民たちであります。ここは通学路でもあり,馬屋土地区,菅野地区の住民にとってはただ一本の生活道路であるわけです。こういった狭い道のまま工事用車両が行き来をするということは大変危険であります。当初の約束では,道路を拡幅しなければ本体工事には絶対着手しないということでございましたが,これもまた残念ながら空手形に終わろうとしております。行政不信の声が日々高まっておるところでございますが,市も一枚かんでいるこの問題に対してどういった解決策をいつごろまでに見出すおつもりか,御見解をお聞かせをください。 次に,市道下田橋・今戸線の拡幅計画についてお尋ねをいたします。この道は下田橋から今戸を経て佐山へ抜けるB級幹線でございます。先ほど述べましたように,国道53号線がパンク寸前であるためにこの道をかえ道として利用する人がどんどん増加をしております。そしてまた,将来的にも国道53号線北バイパス横井上─吉宗間,吉備新線─新空港─田益間の開通が空港開港よりもおくれる事態となりますと,ますます通行量がふえることは明らかであります。しかしながら,現状では下田橋─今戸間が狭い上に,これもまた通学路となっておりますので大変危険な箇所であります。地元町内会では土地の話はついているとのことでございますので,大きな事故の起こらないうちに早期に拡幅をしていただきたいと思いますが,今後の御計画をお聞かせをください。 次に,笹ケ瀬川の改修についてお尋ねをいたします。笹ケ瀬川の改修については栢谷地区で河川の局部改修が初められておりますが,全体の改修計画についてはどうなっているのかお知らせをください。ここで2,000万円ほど予算がついておりますが,このくらいの金額ではなかなか前に進みませんので,全体計画についてお知らせをいただきたいと思います。また,先日の大雨の際に土砂が流出をいたしまして河川や井せきなどを埋めております。全線の抜本的改修までの間の処置をどうするおつもりなのか,どういった処置をされるおつもりなのかをお聞かせをいただきたいと思います。 次に,横井地区コミュニティーハウスの建設計画についてお尋ねをいたします。再三の住民からの強い要望にもかかわらず,現在横井地区には隣保館があり,コミュニティーハウス建設は難しいとの御見解でございました。しかし,この隣保館は横井地区の南の端に位置しており,こういった建物は地区の中心に建っていなければ,婦人会,老人会など車の運転のできない方には大変不便であります。また,津高は合併前,馬屋上,野谷,横井の三つの学区を合わせて御津郡津高町と言っておったことは御存じだと思います。私たちは子供のころから,三つの地区が互いに手を携え,助け合ってふるさとを守り育てていかなければならないと教えられてきました。しかるに,空港関連だという名目で,日応寺,田原,三和,西菅野などには幾つもの新しく集会所建設が進められておるにもかかわらず,横井地区には土地の確保もできておるのに,ただの一つのコミュニティーハウスの建設もできないのが現実でございます。これが真の意味の心の通った行政と言えるでしょうか。横井地区の住民だけではなく,空港建設のため大きな犠牲を払っている馬屋上,野谷の住民も大きな怒りを抱いております。私は互いの痛みのわかる温かみのある行政こそがまことの行政だと思います。津高全体の強い要望でもあります横井コミュニティーハウス建設計画について御見解をお聞かせをください。 最後に,藤ケ鳴牧場移転に伴う跡地利用についてお尋ねをいたします。岡山市菅野に位置します藤ケ鳴牧場は24万平方メートルの敷地を誇り,牧場として,また観光農園,レクリエーション施設として年間約60万人の利用者のある市内では有数の施設観光地であります。何の変哲もない山林でありました現在の地を,経営者である島村宇多治さんが男一代のロマンの地と定めて以来,自然に溶け合った,市民,県民憩いの場にしようと全力を注いでこられた汗と涙の結晶であります。敷地内には牧場を初め,ジンギスカン野外場,野球場,アーチェリー,テニス場,キャンプ場,フィールドアスレチックなどなどを完備してあります。しかしながら,新空港建設に当たり飛行機離発着のための高さ制限にかかり,24万平方メートルのうち心臓部である宿泊施設,駐車場など2万平方メートルを削り取らなければならないことになってしまいました。そういった関係で,牧場部門は加茂川町高谷開拓地へ移行,観光農園部門は付近の日応寺地区へ移行するべく準備を進めておられます。新空港建設のためには仕方のないことだとはいえ,これだけ整備された広大な地を,一生をかけて築いてこられた地を,ただ無意味に放置することだけは決してあってはならないことだと思います。引き続き市民,県民憩いの場としてスポーツ広場に整備すべきだと思います。御見解をお聞かせをください。 市長も市の将来を展望した際に,観光産業にはより一層の力を注がなければならないと声明をされておられます。私なりの市北部の観光プランを申し上げてみますと,新空港を核といたしまして,すぐ近くに現在移行建設中の藤ケ鳴牧場,そして市立の少年自然の家がございます。また,大型農道を通りますと,5分ほどで東菅野のマスカット温室団地に向かいます。新岡山カントリークラブ,岡山カントリークラブのゴルフ場が二つございます。また,私事で申しわけありませんが,有数の温泉地もございます。そして,お願いをしております24万平方メートルの大きなスポーツ広場とくれば,市内最大の観光地となることは必然であります。この市北部地区の観光プランについての御見解と,もし御計画がございましたら御計画をお聞かせをいただきたいと思います。 以上で質問を終わらしていただきますが,どうぞ大変憩いの場を持たしていただきましたので,ひとつすばらいしい答弁をいただきますようによろしくお願いをいたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 垣下議員の御質問に対しましてお答えをいたします。 53号線北バイパスにつきまして御質問ございましたが,岡山北バイパスは岡山市の北部と市街地を結ぶ国道53号線の交通渋滞の解消を図ることを主目的に,建設省におきまして昭和49年度から事業化されたものでございます。同バイパスは津島から吉宗までの7.4キロ間について計画をされておりまして,首部─横井上間の第1期計画区間と津島地区の2区区間について事業が進められております。今年度用地買収または一部工事等が行われる予定になっておる次第でございます。今後第1期計画区間につきましては,新空港の開港に向けて整備される見通しでございまして,津島地区につきましても財政状況の問題もあって,新空港開港からそう遅くない時期に整備されると聞いておる次第であります。なお,横井上から以北につきましては予算上の問題がありまして,現在施行中の事業との関連もあってまだ事業化されていないのが,市としても期成会を中心といたしまして再三にわたって建設省等関係機関へ早期事業に向けて強力な陳情活動を行っております。今後とも引き続き施行中の区間の早期完成と未着工の区間の早期の事業化というものを,関係機関に対しまして強く働きかけてまいりたいと思います。 その他につきましては,関係者から答弁します。 ◎建設局長神原俊彦君) 国道53号の北バイパスについてどのように強く関係機関へ要望したかということでございますが,53号北バイパスにつきましては,関係機関への要望の状況を御説明いたします。 昭和58年度におきましては,県選出国会議員及び建設省に対し2回,中国地建に対し3回,さらに今年度に入りまして6月下旬中国地方建設局へ市長と私とで要望に参っております。今後とも強力に要望してまいりたいと思っております。 それから,吉備新線の問題でございますが,吉備新線につきましては吉備高原都市,新岡山空港と岡山市街地を結ぶ重要な幹線道路として,県において58年度から新規に事業着手されたものでございます。現在までのところ新空港から以北の岡山市掛畑から上高田間5.14キロと岡山市石妻から三和の間1.57キロの2区間について事業が認められております。今後も吉備高原都市,新岡山空港の完成に向けて鋭意整備されると聞いております。また,新空港の南から田益地区までの区間については予算的に問題もあって事業に着手されていないのですが,県としては新空港と岡山市街地を結ぶ連絡道路として暫定的に一般県道日応寺・栢谷線を新空港完成までに整備し,道路交通に対処したいという意向を持っておるようでございます。今後市といたしましては,県道岡山・賀陽線──吉備新線でございますが,整備促進期成会を中心といたしまして,新空港以南の早期事業化を重点的に吉備新線の全線開通に向けて関係者へ強く働きかけていきたいと,このように考えております。 それから,下田橋・今戸線の拡幅についてでございますが,市道今戸・下田線は県道三和・菅野線と県道岡山・賀陽線を結ぶ2級幹線市道でもありまして,最近国道53号の停滞により,53号より本市道を通り一宮を経由して市内に行く車がふえたということにつきましては,御質問のとおりでございます。現在幅員は2.5メートルから4メートルでございます。本市道は年次的に改良をしておるわけでございますが,今後も用地の協力を得られるところより実施してまいりたいと,このように考えております。 次に,笹ケ瀬川改修と全体計画の見直しという御質問でございますが,笹ケ瀬川につきましては新空港の建設や沿線の住宅開発に伴い,流出量の増加に対応するため県において,昭和58年度から横井上から栢谷間1.2キロについて河川局部改良事業により改修に着手されております。市といたしましても今後早期完成に向けて事業の増額確保を関係機関へ強く要望をしてまいりたいと,このように思っております。また,全体計画の見直しにつきましては,県としても全線にわたって抜本的な整備を図るため測量調査を着手されているが,予算的な面からも早期完了は困難な状態にあると聞いておりますが,県としては狭いところとか土砂の堆積したところ,また老朽した護岸,そういうものの障害物につきましては,県の単独事業をもって局部的な改修を図るとの方針でありますので,市といたしましても抜本的な整備と局部的な改良の促進について県の方に強く要望をしてまいりたいと,このように思っております。 ◎企画室長(谷義仁君) 津高地区にコミュニティーハウスの建設をということにつきまして市長の答弁を補足さしていただきます。 コミュニティーハウスにつきましては,御存じのとおり小学校区を対象としまして公民館等の集会機能を持っている公的な住民施設のないなどの地区につきまして整備を進めておるところでございます。横井地区へコミュニティーハウスをという地区の方々のお気持ち,事情は十分承知しておりますわけでございますが,現状では建設しにくいと考えておりますので,よろしく御理解をいただきますようお願い申し上げます。 それから,藤ケ鳴牧場の跡地利用についてでございますが,藤ケ鳴牧場につきましては近く県が移転補償,用地買収の協議に入ると聞いております。また,跡地利用につきましては現在のところ未定でございますが,付近には古刹の日応寺もありすし,御指摘のように市立少年自然の森なども近くにあるところでございますので,いろいろ有効適切な利用がなされるよう今後県に要望をいたします。   〔8番垣下文正君登壇〕 ◆8番(垣下文正君) 失礼します。再質問をさしていただきます。 皆さん今お聞きいただいたとおりでございまして,大変温かみのない御答弁だと思いますが,いかがでございましたでしょうか。まず最初に,日応寺・栢谷線なんでございますが,これは地元へ当局が来て説明をする際には,道を拡幅した後でなければトラックなんかがたくさん通るので危ないから本体工事は始めないという約束でございましたのですが,今建設局長の答弁では日応寺・栢谷線については新空港開港までには拡幅をすると,こういうふうに言われます。私はこれはおかしいと思います。もう一度調べていただきまして,もう一度御答弁をいただきますようによろしくお願いいたします。 それから,53号線の北バイパス,横井上から上につけないと,吉備新線についても新空港から下はつけないと,こういうふうに市長さん初め当局の方は言われるわけなんですが,そうすると空港へ岡山市内から行くためには,53号線の北バイパスに乗り横井上まで行って,横井上から53号線へ取合道を渡り,その取合道から今ある国道53号線を通って吉宗まで行き,吉宗から日応寺・栢谷線を通って空港へ行くということになります。これは大変,一度通っていただいたらいいんですが,込み合っている道でございまして,今ですら込み合っている道を空港開港と同時にやっぱしこれを使うんだということになれば,これはもう込み合うことはもう当然わかっておることでございますので,大変何遍も強く要望をしておるということでございますが,私から言うと要望が足りんと思います。瀬戸大橋事業,瀬戸大橋事業ということで何かというと瀬戸大橋に目を向けておりますが,新空港もまた地元は犠牲を大きく払っておるわけでございますので,そのぐらいなことができないのなら,最初っから空港なんかを日応寺に持ってこなければいいんです。持ってくるからには,それぐらいのことはしていただかなきゃ困る。私は地元を代表してこう思います。 それと,コミュニティーハウスの件でございますが,片方では地域の発展のためだ,市民のためだ,県民のためだと言いながら,空港で土地を出せと,こう言っとんです。一つの部落なんかは全戸移転でございます。先祖伝来からの土地も建物もみんな空港のために取られてしまっとるんでございます。これも同じ津高の人間でございます。これは地域のためだということで取るだけのことは取って,納得さすだけのことは納得さしておきながら,同じ地域の中でコミュニティーハウスをつくってくれというと,条例だからだめだという,決まりだからだめだと言います。当局がそういうつもりで来るなら,津高の住民にも考えがあります。やるだけのことはやりますので,どこまでやれるか一緒にやってみようではありませんか。ありがとうございました。答弁をお願いします。 ◎建設局長神原俊彦君) 国道53号と吉備新線の件でございます。さきに発表いたしました交通基本計画にもありますように,65年度までには着工できないとなっておるわけでございますが,これは現在のような国の財政状況では着工できないということでございます。今年度も公共事業はゼロシーリングと言われておりますが,このような状態が続きますと,困るのは道路整備がおくれておる地方だと,このように考えております。市といたしましても,公共事業費の増額を強く国に要望いたしまして,一日も早くこれらの道路が利用ができるよう強く働きかけていきたいと,このように考えております。 ◎企画室長(谷義仁君) ただいま垣下議員から御指摘がございましたように,空港関連で他の地区に,同じ津高地内で他の地区にいろいろと集会所ができておりますことは私どももよく承知しております。それはそれなりにそれなりの事情ございまして整備されることは結構だと思います。コミュニティーハウスにつきましては,私どももいろいろ検討してまいったところでございますが,現状では建設しにくいということで先ほど申し上げましたように,よろしく御理解をいただきたいということでございます。 ◎教育長(奥山桂君) 日応寺の栢谷線拡幅のことでございます。香和中学校の北側の拡幅の問題につきましてのお尋ねでございますが,新岡山空港関連のこの線の拡幅に伴いまして香和中学校の校舎の移設問題につきましては,現在県の関係部局と鋭意協議を進めているところでございます。移設に当たりましては,費用の負担の問題や事業手法等について具体的な煮詰めが必要でありまして,市の空港対策室とともに県との協議を精力的に進め,移設工事に早期に着手できるよう努力してまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 ○議長(藤原貢君) 次は順序に従いまして近藤君。   〔3番近藤紗智子君登壇,拍手〕 ◆3番(近藤紗智子君) ただ今の垣下議員の御質問が憩いの場どころか大変厳しい質問でございましたので,私はさわやかにまいりたいと思います。 初めに市営住宅建設等についてお尋ねいたします。市営住宅建設問題の第1は花園住宅の建てかえについてであります。市営花園住宅は昭和21年に建設され,間口が狭く棟割り長屋で前後の棟が接近し過ぎて日が差さないという敗戦の傷跡が生々しく残る住環境でありました。その建てかえはまさに地域の環境整備的要素がありましたが,花園住宅の建てかえも進み,この8月には新入居者が住宅への第一歩を踏み入れることになっています。1期工事の前期の建設戸数は24戸,その内訳は1種6戸,2種18戸であります。これから建設される後期工事の建設戸数は12戸,そのうち1種6戸,2種6戸という計画であります。私はこの戸数の内訳に疑問を持つところであります。花園住宅の建てかえ時の入居者で仮移転をしてる者が29名おられますが,この29名の方々が前期後期工事合わせて1種12戸,2種24戸で対応できるのかということであります。この点について当局はどのように考えているのかお聞かせください。 質問のその2は,今回の花園住宅は法定建てかえではなく任意建てかえとなっています。いわば新規建設に相当するものであります。住宅の種分け戸数は国庫補助の条件に上げられておりません。したがって,地域の需要の状況をかんがみて1種,2種の戸数を決定すべきと考えます。今回の12戸の1種戸数を決定した根拠をお聞かせいただきたいと思います。 質問のその3は,花園住宅の残った住宅の建てかえ計画についてお尋ねいたしたいと思います。 住宅問題のその2は,平井市営住宅の建てかえ問題についてであります。今年度当初予算に平井市営住宅建てかえの調査費及び空き住宅の撤去費を計上しています。また,空き住宅の撤去は58年度末16戸実施されています。これらの施策は現在の入居者に全く周知徹底されず,入居者にとってはまさに青天のへきれきのごとく行われたものであります。入居者の間では市当局の一方的行為について不安を覚えると同時に強い憤りを示しています。いたずらに住民に混乱を起こしてるやり方が,松本市長の本意なのだろうかという疑問を多く寄せられています。市長にお尋ねいたしますのは,平井市営住宅の建てかえを入居住民の合意も得ずに一方的に強引に進めていかれるのかどうか,まずお聞かせいただきたいと思います。 質問の第2は,平井市営住宅の建設が昭和25年,31年,32年となっています。すでに耐用年数は過ぎているところです。建設当初からの入居者は入居時の説明会の席上,耐用年数の半分が過ぎ,つまり17年を経過すれば住宅を入居者に払い下げると市が公言したと言っています。払い下げの約束について当局は,当初そのような記録がないので,約束をしたということを認めませんでしたが,当時の状況から判断したら約束したことも推測できるという考え方に変わってきてるようであります。私も昭和25年,31年,32年当時の状況を調べてみましたが,昭和27年,28年ごろに市営花園,土生,福島の厚生省による引揚者住宅の払い下げを決定しておりますし,また実施してる時期でもありました。さらに,建設省関連の市営東山鶴巻住宅の払い下げも同時に行われています。鶴巻住宅に至っては,建設省が払い下げを認めず市の申請を突き返したにもかかわらず,議会で議決し払い下げを強行したという経過が残っています。 当時の払い下げの主な理由は,膨大な修繕費に市費を投じることはむだであるという考え方にあったようであります。これらの状況と説明を聞いた者の多数の存在から,市が入居説明会の席上で払い下げを口にしたと考えられます。しかしその後,昭和50年に建設省の方針が払い下げは原則として認めないという方向に変わっていますが,住民に対して方針の変更を徹底しておりません。住民は今でもなお払い下げが可能であると信じてるようです。市はこのような状況をつくり出した責任をどういうふうにとっていくのか,お聞かせいただきたいと思います。 次に,隣保館の運営,その他についてであります。岡山市は現在,9館の隣保館を設置し,同和地域や近隣地域のコミュニティーセンターとして,国民的課題の同和問題に対する理解を深めるための活動を行い,もって地域住民の生活の社会的,経済的,文化的向上を図り,同和問題の速やかな解決を進めるとしています。全体として,その目的に沿って隣保館の運営は行われつつあると推測いたしますが,残念ながらその目的に逆流する運営がなされてる隣保館もあります。その一例を挙げるならば,神下乙多見の隣保館であります。同隣保館の研修及び広報活動は中立公正を旨とすべしという条例の規定から大きくはみ出しています。 具体的に申しますと,去る3月8日,9日に同隣保館は,地区協議会の委員を含む35名で兵庫県養父郡養父町に研修に行っています。目的は刑事被告人である丸尾某を訪問し,その体験に学ぶことでありました。何ゆえこの研修が中立公正を旨とする隣保館運営の方法から逸脱するかといえば,御承知の方が少ないかと思いますので,若干,丸尾某を訪問する問題点の要点をかいつまんでお話ししたいと思います。 兵庫県養父町の丸尾某は,1974年に起こった高校教師集団リンチ事件である八鹿高校事件の主犯として昨年1983年に有罪となってるのであります。八鹿高校事件とは教育史上全く例のない残虐なリンチ事件であり,その内容は凄惨をきわめていました。女教師を含む25名の教師が,丸尾を先頭とする解同会員の集団に体育館に連れ込まれ,竹刀で殴るけるの,あげくの果ては全裸にして逆さづりにし,たばこを押しつけるという極めて悪質な蛮行を行っていました。教育史上例のない最悪の事件であったにもかかわらず,当時のマスコミは事件について一行も報じることをせず,事件は国民の目から覆い隠されていたのであります。 しかし,9年の長きにわたる裁判の結果,神戸地方裁判所刑事3部法廷はついに丸尾を初め13名の被告全員に有罪の判決を下したのであります。このような事件の主犯に話を聞き学ぶということが,中立公正な運営には絶対になるとは思えません。当局はこの研修のあり方をどのように考えてるのか,お聞かせいただきたいと思います。また,この研修に参加した学校関係者の名前及び学校名とポスト名をお聞かせいただきたいと思います。 その3,研修費用の出所とその額について詳細にお聞かせいただきたいと思います。教育関係者の研修費用の出所及び市職員のもあわせてお尋ねしたいと思います。 その4,この研修は58年度隣保館事業でありますが,神下乙多見隣保館の58年度事業計画と会計報告書をお示しください。この研修を行った同隣保館広報部は,4月1日発行の広報紙「隣保館だより」に,視察報告を掲載しています。報告者は竜之口小学校,財田小学校の各教頭及び竜操中の同和教育主事たちであります。報告をされた3人の先生方は一様に感銘を受け,中には八鹿高校事件が起こったから地域のまとまりもでき,行政も本気で取り組むようになったと,事もあろうにこの種の事件が起こることを期待するかのような印象を与える報告を書いています。これらの教師たちは,八鹿高校事件の真相を知った上で研修に参加してるのかどうか。またこれらの教師が書いた感想は,市教委の教育方針と違う点があると教育長は認めているが,どの部分がどのように違うのか明らかにしていただきたいと思います。 その2,これらの教師が得た教訓を生かして教育実践を行えば,解同の教育介入が起こるのは必至であると考えますが,教育長の見解をお聞かせください。 その3,この広報紙は財田学区の全戸に配られています。広報紙の費用はどこから出されているのか。 その4,広報紙の発行責任はだれがとるのか,お聞かせいただきたいと思います。 次に,旭川河川敷利用についてお尋ねいたします。自動車練習場跡が廃止されてもうすでに5年以上を経過しています。利用されなくなった練習場跡を整備し市民に開放すべきであると,この本会議場で岡本議員を初め多くの議員から指摘されてきたところであります。当局もコンクリートの跡地の整備に要する費用や管理の問題など苦慮しておられるところだろうと拝察するところです。自動車練習場跡地に隣接するさくら住座も一昨年すべての外壁塗装を終え,見違えるほど美しくなったところであります。せっかく環境の美化と整備が進む中で,しかも豊かな流れを背景にする河川敷が草に埋もれてしまうのは大変残念でなりません。また,環境整備の上からも放置できないと考えますが,自動車練習場跡地利用の計画の進展をお尋ねしたいと思います。 次は,ビタミンK欠乏症による頭蓋内出血の対策についてであります。高度経済成長期の時代には,婦人労働力も重要な経済成長の要素として必要とされていました。婦人の子供を育てる能力さえも労働の障害となるという観点から,育児のさまざまな短絡化が行われてきました。その一つが粉ミルクの出現となり,あたかも粉ミルクさえあれば子供が健やかな成長をするかのような幻想が振りまかれたものであります。しかし,行き過ぎには必ず反動があるように,母乳の優位性が説かれ,その価値が再発見されるようになりました。今では真剣な子育てを考える母親は,可能な限り母乳で育てることを心がけてるようであります。母乳は栄養のバランス,免疫,情緒の育成等と,人口乳と比較にならないすぐれた面があります。しかし,最近このようなすぐれた面とあわせて欠点も浮かび上がってまいりました。それがビタミンK欠乏症であります。数年前厚生省の委嘱で医師会のビタミンK欠乏症研究グループによって全国調査を行ったところ,母乳栄養児1,000名に1名くらいの高率で頭蓋内出血が出現していたとのことであります。この頭蓋内出血は母乳の中のビタミンKが欠乏することによって乳児のビタミンKが不足し,早ければ生後二,三週間から生後1カ月以内に脳出血や皮下出血を引き起こす症状です。皮下出血ならばその後の後遺症は軽くて済みますが,脳出血を起こした乳児の後遺症は重く,そのほとんどが心身障害の1,2級に該当しています。症状の出現率が高い上に一たん症状が出るとかなり重い障害を残すといった状況から,頭蓋内出血の対策が急がれています。一例を挙げれば,乳児のビタミン欠乏症の検査に簡易なスクリーニング法としてヘパプラスチンテストを乳児の血液検査に用いる。また,母乳栄養児にはビタミンK2シロップを投与するなどです。とりわけビタミンK2シロップは安価なものでありますから,障害児をつくらない子供の健やかな成長を行政が保障する立場から,こういう点も含めて検討をし早急に対策を立てるべきであると考えますが,当局の御見解をお聞かせいただきたいと思います。 以上,簡単に第1回目の質問を終わらしていただきます。(拍手) ○議長(藤原貢君) 10分間休憩します。    午後2時25分休憩    ~~~~~~~~~~~~~    午後2時56分開議 ○議長(藤原貢君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。 当局の答弁を求めます。   〔市長松本一君登壇〕 ◎市長(松本一君) 近藤議員の御質問に対しましてお答えをいたします。旭川の河川敷利用についてお答えをいたします。旭川の自動車練習場の跡地の利用につきましては,御指摘をいただきましたとおり数年来要望が出されているところでございます。しかし,コンクリートの舖装路の撤去問題が未解決のままになりまして今日に至っておるのが現状でございます。しかしながら,すでに右岸側の船着場の跡がセーヌ河畔の構想によりまして整備をされつつある状況も考えあわせまして,従来問題となってきましたコンクリートの撤去の問題,あるいは盛土による利用が可能かどうかというようなことなど,現在建設省の河川工事事務所とも協議をいたしておる次第でございまして,解決策を見出すべくさらに協議を進めてまいりたいと考えておりますので御了承を賜りたいと思います。 その他は関係者から答弁させます。 ◎衛生局長(竹原良一君) ビタミンKの対策についてのお尋ねでございますが,母乳の唯一の欠点であると言われているビタミンKの不足により生後間もない乳児が頭蓋内出血などにより死亡したり,重い後遺症を残すなどのケースがふえているという新たな問題が表面化しております。厚生省もこの問題に対する研究班が実施する臨床テストの結果を見た上,できるだけ早く統一基準をつくり行政指導もしたいとの意向を示しているところであります。御意見のように,乳児の栄養補給は母乳にまさるものはありません。この点誤解を生じさせないよう心がけながら,市内の専門医等の御協力をいただく中で,適切な対策を講じてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ◎建設局長神原俊彦君) 花園団地の件でございますが,花園団地の第1期計画といたしましては,昭和57年,8年度事業で実施しておりまして,1種6戸,2種18戸,計24戸を建設しております。引き続きまして,59年度事業といたしまして1種6戸,2種6戸,計12戸を建設する計画にしておるわけでございます。この1種,2種の戸数を決めた根拠という御質問でございますが,花園団地94戸はすべて1種住宅でございました。建てかえに当たりましてはすべて1種住宅にするのが原則でございますが,状況判断の中で市が主体性を持って1種12戸,2種24戸の決定をいたしまして建設をしたものでございます。よろしく御理解のほどをお願いいたします。 花園団地の奥の住宅の建設計画についてでございます。第2期計画といたしまして既存の老朽住宅20戸の除去を行い,その跡へ9戸の建設を行う計画でおります。これにつきましては,公営住宅の種類別及び構造別等につきましては今後地元関係者と協議を重ねながら検討をしてまいりたいと考えております。 それから,平井住宅の除去の問題でございますが,昭和59年3月平井住宅の空き住宅,木造で16戸あったわけでございますが,その16戸を除去したわけでございます。この住宅は昭和31年から昭和34年に建築したもので,耐用年数の20年を相当経過しておるわけでございます。住宅の傷みがひどく危険であり,また地元より未成年者の不純異性交遊の温床等になっているので除去せよという要望もあって除去したものでございます。除去工事につきましては,個々の皆様にあいさつはしておりませんが,町内会長,管理人に説明した上着手したもので,この除去工事につきまして一部の入居者の方から説明もなく除去したと厳しい御指摘があるわけでございます。入居者全員に周知徹底を怠ったことは本当にまことに申しわけなかったと思っております。今後につきましては,連絡事項につきまして周知徹底するよう努めてまいりたいと思っております。 それから,50年の建設省通達の徹底でございます。これも平井住宅は入居募集のストップは昭和49年から行っておるわけでございます。この50年の通達につきましては,町内会長,管理人の人等一部の入居者の方々には連絡をしておったわけでございますが,入居者全員に周知徹底を怠ったということは,前の除去問題と同じくまことに申しわけなく思っております。今後は十分に建てかえ計画を踏まえ,入居者に対して遺憾のないよう努力してまいりたいと思いますが,どうぞ御理解のほどをよろしくお願いいたします。とにかく地元の説明会の場におきまして,担当者の説明並びに質問に対する対応等につき不十分な点があったことにつきましては,本当に遺憾だと思っております。今後とも地元の方々と十分協議をしてやっていきたいと思いますので,何分御理解のほどよろしくお願いいたします。 ◎参与(渡辺史郎君) 隣保館の運営等につきまして答弁いたします。 まず第1番は,研修のあり方をどのように考えておるかということでございます。厚生省の隣保館の運営の方針を見てまいりますと,隣保館は同和行政の具体的施策に即応する主要な出先機関で,市町村が設置し運営するものであるが,同時に地域住民の自立,自覚を高め,自主的な活動を促進する場として,地域自治会や各種団体などとの連携の上に立って事業を進めなければならない。さらに,同和問題を解決する上において共通の課題を持つ民間運動団体などと相互にその果たすべき役割を明確にしながら連携を保ち,活動を高めていくことも必要である,いうふうにされております。この趣旨に沿いまして岡山市では,隣保館活動について,地域の各種団体等の代表者により構成されました地区協議会の委員に,企画及び実施について御協力を願っておるところでございます。 この視察研修につきましても,地区の協議会に諮り計画実施したものでございます。この研修の目的は,隣保館の活動状況についていろいろ学び運営の参考とするためでございます。主な目的は,兵庫県の朝来町の隣保館である福祉会館を訪れまして,町民の啓発活動の推進状況について,推進組織,方法,広報,助言者等,それから文化教養活動について,その取り組み状況等を学ぶためのものでございまして,これは日帰りバスツアーで,その部分が公費負担となっております。 なお,御質問の趣旨の座談会等でございますが,それは翌日の日程になっておりまして,その部分には研修費は一切支出されておりません。研修費が支出されました部分につきましては,適正な執行がなされておると判断いたしております。この研修に参加した学校関係者はというお尋ねでございまして,35人のうち8人でございます。 次に,研修費用の出所と額についてということでございますが,同和対策費の隣保館費におきまして15万8,050円を支出しておりまして,その内訳はバスの借上料が14万円,これは先ほど申し上げましたように公費で支出すべき岡山から朝来町の隣保館までの往復部分でございます。それから,その他の旅費といたしまして地区協議会の委員に半日当の1人当たり950円,総計で1万8,050円を支出いたしております。参加した教育関係者については,旅費の支出なしの出張命令が切られておりまして,費用は支出されておりません。市職員及び教育委員会の職員につきましては,この研修の補助者として4人の旅費,計4万9,200円を,同和対策室の職員につきましては同和対策費から,教育委員会部門の2人につきましては教育費から支出いたしております。 神下乙多見隣保館の58年度の事業計画と会計報告でございますが,58年度に神下乙多見隣保館から出されております隣保館活動の状況を見てまいりますと,啓蒙広報活動,講座,講習会,定例学習会,講演会,研究会等のいろいろな研究なり講座等,それから生活相談事業,隣保館における図書等の貸し出し事業というふうなものでかなり詳細なものが出ております。後刻りプリントいたしまして,質問者にお渡しをいたしたいと思います。 会計報告につきましては,これは冊和対策費の隣保館費で決算で上がってくるものでございまして,現在出納閉鎖が済みまして調整中でございますが,数字を申し上げますと,隣保館費のうち神下乙多見隣保館に係る部分につきましては,総計で360万6,945円支出いたしております。このうち10万円以上の主な費目を申し上げますと,報償費が104万5,500円,消耗品費が43万1,892円,印刷製本費が76万4,684円,光熱水費が65万7,881円,通信運搬費が19万4,640円,手数料が18万7,848円,使用料及び賃借料が15万1,500円となっております。 次に,広報紙の費用はどこから出ているかということでございますが,同和対策費中隣保館費から支出いたしております。 隣保館だよりの発行責任者はだれかということでございますが,隣保館活動に伴う広報紙でございまして,直接的には隣保館の館長にございますが,同和対策室にその監督指導の責任もあると考えております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) ただいまのことに関連いたしまして広報紙に載せられたことと,教育委員会の方針とどこがどう違うのかというようなお尋ねでございますが,御承知のように同和教育が大事な時期を迎えているということは今皆さん御承知のとおりでございますが,県教委もその認識のもとに同和教育審議会を設置しておるわけであります。去る5月24日付で同審議会から岡山県同和教育の今後のあり方についてという答申が出ております。そして,それに基づいて6月22日付で新しい同和教育の基本方針が出されております。市の教育委員会としましては,それに基づいてまだ十分に検討ができている状態ではございません。ゆるがせにできない問題であり急がれる問題ではありますけれども,大事な問題でありますのでよく検討をして考えをまとめたいと思っておりますので,御理解を賜りたいと思います。 それから,教育介入にならないかというようなお尋ねでございますが,ほかの場合でも言えることでありますけれども,教師が研修に行き,そこで得た感想等というものはその後の教育実践の参考になるわけでありますけれども,あくまでもその学校の教育理念,方針に基づいて中正な立場で主体的に実践されるべきものであると考えております。教育委員会としては,その方針で指導,助言をしてまいりたいと思っておりますので,御理解をいただきたいと思います。   〔3番近藤紗智子君登壇〕 ◆3番(近藤紗智子君) お疲れだと思いますが,再質問をさしていただきます。 先ほど市長さんの方から旭川河川敷の利用のことについて御答弁がございましたけど,私一つ残念なのは,市長さんにまずお聞きしましたのは,平井の市営住宅の建設を強引に一方的にやっていくのかどうかという,まず基本的な姿勢をお尋ねしてたので,それについては答弁が漏れているんですが,強引にやっていく予定なんですか。そうでないのであれば,私はもう一度答弁をしていただきたいというふうに思います。そして,河川敷の問題については先ほども申し上げましたように,岡本議員を初めいろいろな方がたびたび御指摘をしてます。また,この地域については適切な広場が少ないということで非常に河川敷を地域の人たちが公園として利用できるようにしてほしいという要望が強いです。ですから,この要望を十分受けとめていただいて積極的に,今回の答弁はいままでになく積極的だと思いますが,それをさらに生かしていただきたいと思うんです。とりわけ私もヨーロッパに参りましてセーヌ川を,先ほど山田議員もおっしゃってましたけど,遊覧船で下ってまいりました。そのときに本当にこういう遊覧船が旭川のように,大きな流れの中で,しかもきれいな水の中で浮かべられるんであれば,もっと岡山市の振興につながるのではないかというふうに思ったんです。そういうことも今後いろいろな観点から考えていかなければならないわけですから,とりあえずやらなきゃなんないことはまずやっていただきたいというふうに思いますので,これは御要望ですからあえて御答弁は要りません。 それでは,平井の市営住宅の建てかえの問題について,私は今の御答弁でなかなかわかりにくい面があったんですが,それでもこの問題については平井の市営住宅B団地120戸のうち,すでにもう皆さん出まして58戸が残っています。その58戸の全員が平井の市営住宅の中で居住権を守ってほしい,また払い下げをしてほしいということで守る会をつくってるわけです。全員参加の守る会というのは本当に珍しいことだと思います。それほど熱心にやっています。また,議会の中では山田隆雄議員さんとか日南議員という良識のある,私も含めてですが,議員が顧問になっております。こういう中で,本当に真剣に地元の人たちが対応してるにもかかわらず,当局は実にけしからんのですよ。何ら具体的な対応策を考えてきていないと。建てかえるんだ,建てかえるんだと言いつつ10年もほっちらかしにしてきて,地元の人たちには大変不安を与え続けているわけです。で,この期になって守る会ができて当局と交渉をしても何ら考えてくださらない。これではね,蛇の生殺しみたいにしかならないんです。で,私もない知恵を絞りましていろいろ考えました。入居者の居住権を守り,かつ建てかえを促進するという方法がないのかということでいろいろ検討をいたしましたら,今市が考えてる建てかえ計画は法定建てかえを進めようとしていらっしゃるわけです。これを私は任意建てかえの方式をとっていただいて進めていけば,入居者の要望と市の建てかえという本当に大きな命題とが矛盾することなく進められると思うんです。法定建てかえと任意建てかえの差というのは,入居者の仮移転の費用とか,あるいは調査計画費とかあるいは環境の整備とかという費用に対して国庫の補助がないということなんですが,もちろん取り壊しもそうですが。しかしそういういろいろな諸条件を考えて,国庫補助が仮になかったとしてもさほどの市費負担にはならないんじゃないかと。これは私,素人が考えてるわけですから適切な方法ではないかもしれませんが,要するにその点はひとつ検討をしてみていただきたいと。つまり入居者の居住権を本当に保障するという立場も真剣に考えて対応していただきたいと思いますので,このような方式で考えていくのはいかがかということで,建設局長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。その他の方式もあるかもしれませんので,その他についても今後検討する過程の中で新たに浮かび上がってくるのであれば,それもまた真剣な姿勢として歓迎したいというふうには思っていますけど,まずこの点についてお尋ねします。 それから,花園の問題ですが,花園の住宅は1種,2種ということで分けていますが,もうすでに1種で建てられた旧花園住宅に入居してた人たちは,ほとんどがもう2種の収入にしか該当しないんです。だから,現在29人いらっしゃる方をこの移していくということになれば,6戸と18戸,さらに6戸と6戸ということで,2種が24戸ぐらいになるわけですが,24戸で対応できないんじゃないかというふうに私は心配するんです。そういう人たちをもし2種に該当するような収入しかない人たちがはみ出たとすれば,この人たちに対してどういう対応をしていかれるのか,それをお尋ねしたいと思います。 それから,あの地域は低所得者が非常に多い。生活保護を給付している人は岡山市内でもかなりの高率だと思います。そういう地域であり,しかも老人が岡山市内では1位か2位というぐらいになってます。こういう人たちの要望にこたえるためには,もっと2種をふやしていただくか,福祉住宅をふやすということにならなければいけないと思うんです。そこで,後期に予定されてるものは,できるだけもうほとんどすべて福祉住宅と2種にしていただく方向を検討していただきたいというふうに思いますが,その点についてどう考えられるのかお聞きします。 それから,隣保館の問題です。私は,皆さん隣保館の問題で何のことだかよくわからないんじゃないかと思いますが,必要な方はまた申し出ていただけば,この隣保館だよりをお渡しいたしますので,差し上げます。それで,この隣保館だよりの中に,渡辺参与は,日帰りのバスツアーで行って朝来町の福祉会館,つまり隣保館を見てきたんだとおっしゃいました。しかし,この隣保館だよりに書かれているのはそういう内容じゃないんです。朝来町の館長というのが,福祉会館の館長というのが丸尾さんらしいんですが,この丸尾さんという,丸尾さんというより丸尾某は,この先ほど申し上げました集団リンチ事件の主犯なんです。そして,現在有罪になってるんです。4年間でしたか3年間でしたか懲役を受けてるんです。だから,こういう残虐な本当に教師を殴ったりけったり,たばこづけにしたりというような,しかも逆さづりにして失神状態にしたり精神障害を起こしたり,またある人は肋骨を折って危篤状態というのが1970年に起こってるんです。このことは本当にだれにも知らされずにやみからやみへ葬られてきたんですが,裁判の中で事実が次々に明るみに出て,去年の12月に有罪になったんですよ。こういう人のところへ行って,そういう,非常によかった言って帰ってきてるのが教育関係者なんですね。皆さんどう思いますか。暴力を振るった人の話を聞いて,これはよかったと考えて,教育を進めていくことができるでしょうか。今暴力問題で中学荒れてるんですよ。先ほどの教育長の御答弁の中にも非常に困ってる様子がうかがえるわけです。その暴力を犯してる人のとこへ行って学んでくるということを市が許していいものなんでしょうか。私は単なるバスツアーでしたということで責任は回避できないと思うんです。 渡辺参与にお尋ねしたいんですが,この隣保館の費用は市の補助金ですべて賄われてるわけです。隣保館の自主財源というのは何もありません。こういう間違った,市が仮に百歩譲って,係争中の事件だから真偽のほどはわからないといった場合でもですよ,係争中であればそういうふうな行為をとるべきではないというのが中立公正ではないでしょうか。だから,そういう中立公正の立場から,こういうふうなけしからん文章をつくってることについて厳しく指導をすると同時に,次の隣保館だよりに訂正とおわびを掲載させるということをしてほしいと思うんです。その点についてどう考えられるかお尋ねしたいと思います。 それから,教育長,これは重大な問題だと思うんですよ。教育長が出張命令出されてるんですね,8人の教育関係者には。これは出張命令で教育委員会の教育費の中から費用は出てる,研修費は出てるというふうに先ほど答弁があったと思うんですが,教育長はこういうことを御存じで出張命令出されたんですか。その点についてお聞かせください。 それからもう一つは,教育委員会の同和対策室の指導室主任宮宅さんが行かれてるんですね。この宮宅さんが行ってどういう報告を書いてるかというと,丸尾某が差別者に対して非常に厳しい糾弾を100回以上やってきたと。しかし相手からは憎まれていない。むしろよい協力者となっていただいている,と言ったということに感銘をして,こういうふうな報告を書いてるんですね。皆さん糾弾というと,磯村会長さんが──地域改善対策事業の審議会の会長ですが,こんないままでの糾弾はやり過ぎだと,これが同和タブーをもたらしたんだ,と言ってるんですよ。そう言ってるものを宮宅さんという同和教育の主任が,こういうふうに礼賛するかのように,こういうことを言ってたと書いていいものかどうか。これが教育委員会の方針じゃないかというふうに私は思うんです。教育長は先ほどこういうふうなことは,いろいろここに教頭や指導主事が書いてるけれども,これについてどこが違うかという教育方針との違いを明らかにするのは,まだ同和教育についての県の方針が出て間がないので検討をしていないから十分なものができないということで答弁してないんですが,教育長がそういう態度をとっている間に学校教育の中に非常に大きな問題が起こってんです。これは再々質問の中で御紹介したいと思いますが,教育長どうですか,今のこういう宮宅さんの書いてらっしゃる内容についてどう考えられるのか,お聞かせいただきたいと思います。 ◎建設局長神原俊彦君) 平井団地の問題につきましてはいろいろあろうかと思いますが,今後入居者の皆様方と十分話し合って計画を進めていきたいと,このように思っておりますので,御理解のほどをよろしくお願いいたします。 それから,花園団地につきましては,現在1種6戸,2種18戸は完成しとるわけでございます。再入居につきましては,8月を目標に今現地の方々と調整中でございますので,この辺もよろしく御理解のほどをお願いしたいと思います。 ◎参与(渡辺史郎君) 再質問にお答えします。 まず,この研修の行く先の朝来町の福祉会館の館長が御指摘の丸尾某で,そこを目指して行ったと。これは中立公正かと,こういうことでございますが,朝来町の福祉会館の館長が丸尾某であるかどうかということは,私のところへ来ております報告書ではちょっとよくわかりませんけれども,いずれにいたしましても朝来町の福祉会館へ参りまして,第1日は町民の啓発活動の状況とか,文化教養活動の状況をいろいろ町当局や支部の方も出ていろいろと勉強をしたという報告を受けております。ただ,これは日帰りで,日帰りのバスツアーということはそういうことで公費を,つまり研修費を負担しておるということでございまして,先ほど申し上げましたようにこの研修の日程はその後に親睦会ですか,何か自主的なものがございまして,さらに1泊をして帰ってくると,こういうことになっておりまして,その間にそのような座談会がなされたというふうに聞いております。私どもが研修費を支出し,中立公正に行うべき部分というものにつきましては,御質問の趣旨によって,私も点検いたしましたけれども,適正に行われておるのではないかというふうに考えておりまして,その他のものについては私ども関知いたしません。 それから,すべて補助でというふうに御質問がございましたが,隣保館の運営につきましてはすべて市の直接の経費でございまして,委託料は一部ございますが補助はございません。直接経費でございます。 それから,次の隣保館だよりに訂正をということでございますけれども,隣保館だよりに訂正をする予定はございません。ただ,隣保館の運営につきましては,中立公正な運営と同時に地域住民の自主的な活動を促進すると,こういう二つの面がございまして,中立公正な運営を確保する上からいろいろと監督指導すると,こういうことと,それから地域の各団体の協力を得て,その自主的な活動を促進すると。自主的な活動を損わない範囲で中立公正な運営にも努めてまいりたいというふうに思っております。 ◎教育長(奥山桂君) 教育委員会の職員が載せました感想文について,教育長はどういうふうに考えておるかということでございますが,御指摘にもありましたように,糾弾というものを是認するような印象を与えておると。確かにそういうふうにとれる面があると私も思います。そういう意味で,原稿を載せる者として,載せた者として配慮が足りなかったというふうに考えております。 それから,8名の教師の出張についてでございますが,これは学校長の出張命令ということになっておるわけでありますけれども,先ほど渡辺参与がお答えを申し上げましたような目的ということで,校長も出張命令を出しておるというふうに考えます。御理解をいただきたいと思います。   〔3番近藤紗智子君登壇〕 ◆3番(近藤紗智子君) 教育長の御答弁の中でもっとはっきりとおっしゃらないから,私は教育の主体性がなくなるということでなお心配するんです。それで,先ほど申し上げましたように,今教育界で何が起こってるか,その一例を挙げますと,H小学校,ここの中で生徒さんが植木鉢の花を育てて一生懸命きれいな花を咲かしたということで,学校の先生が努力賞を上げたわけです。そしたら,同和教育指導主事,これが差別だと言ってその努力賞を撤回するように指導してるんです。これが一例です。それからもう一つ,S保育園に子供さんたちが給食を食べてる状態を写真を写して非常に和やかな雰囲気だというので,その写ってる子供さん方のお母さんに写真を回して希望を募ったんです。そしたら,持ってる弁当が,子供の給食の弁当が小さく写っているのが,中身が見えるから差別だということで,その写真を見た保護者,これは教師なんですね,教師が担当の先生に文句を言ってきてるんです。今は同和教育という名前に変わって,学校の教育は確かに変わりつつあるんですよ。それで,私はこれは芽だと思うんです。まだ大きく変化はしていません。差別だということでいろいろな形で,もしこれが許されるならば広島の校長が次々と自殺をしたような事件とか,また大阪のように駆けっこしてきたら,もう1等,2等を決められないからみんな一緒にゴールインするとか,オール3をつけるとか,いうふうな形で子供の教育が非常にゆがめられていくと思うんです。だから,この芽のうちに学校教育を正しとかなければいけないから,教育委員会のきちっとした姿勢を求めてるわけなんです。教育長はこのH小学校の事件を御存じですか。そのこういうふうな事態についてどう思われますか。これでも同和教育に対する,いわゆる民主教育に対する見解を早急にまとめなくてもいいというふうに考えてらっしゃるんでしょうか。まず,教育委員長にお尋ねしたいんですが,この花を育てて努力賞だということで努力賞上げたことが差別でしょうか。給食のお弁当が写ってんのが差別でしょうか。御見解をお聞かせいただきたいと思うんです。 それで,教育長は宮宅同和教育室の主任の考え方は配慮に欠けているというふうにおっしゃったわけですから,じゃその配慮に欠けた報道を隣保館だよりやってるわけです。渡辺参与は撤回する意思ないと言うんですよ。これが学校教育だというふうに地域の人たちに流布されてるわけです,全戸配布して。そしたら,教育委員会の責任として当然これは撤回すべきだということを同和対策室に言うべきだと思うんです。教育委員会としてそういうふうに要求されるのかどうか,その点をお聞きしたいと思うんです。 それからもう一点は,教育長がこういうふうに同和教育に対して介入が起こるというふうには考えないというふうにおっしゃいますけれども,もうすでに起こってるではありませんか。例えば東商業高校の落書き事件,これはもう詳細なことを説明できませんけど,時間がありませんので。こういう落書き事件で岡山市が教育委員会が一生懸命奔走して差別の確認会をやってるんですよ。こういうふうなことでも,毅然として教育をやってると言えるのかどうか,非常に疑問に思うとこです。そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。 ◎教育長(奥山桂君) きれいな花をつくっておって,それに努力賞を出したら差別であるとか,また弁当の中身が写っておるのでこれは差別であるというようなことについて,私はまだ十分聞いておりません。聞いておりませんから,どういう事情がこれにまつわっておるのか詳しいことがわかりませんので,どうこうというのは難しいわけでありますけれども,ただ今お聞きしただけからすると,私もおかしいという気がいたします。詳細にこれは事情を聞いてみないと,ちょっと正確なお答えはできないわけでありますが,いずれにいたしましてもこれが御指摘のように非常にいがんでいることであるならば,先ほども申しましたように,これまで長い間民主教育ということでやってきておる,名称はどうあれ部落差別解消の教育をやってきておりながら,まだこうであると。そういうことでありまして,仮にいがんでおるとすれば,この機に今までの取り組みというものをもう一遍真剣に取り組んで見直してみなきゃいけないというふうに思うわけであります。そういう意味で,ゆるがせにできない急がなければならない問題でありますけれども,我々として慎重にこれからの方針というものを打ち出さしてもらわなければいけない。これは拙速では困るというふうに私は思っておるわけであります。そういうことでありますので,ひとつ御理解をいただきたいと。 訂正云々についてでありますけれども,我々としましても慎重にただ今申しましたように検討をいたしまして,関係者に指導,助言をしてまいりたいと思っておるわけであります。ということで御理解をいただきたいと思います。 ○議長(藤原貢君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,一般質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。御苦労でございました。    午後3時37分散会...